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地域の社交場復活 富山岩瀬地区「萩の湯温泉」

5/10(水) 0:29配信

北日本新聞

 富山市岩瀬地区で唯一の公衆浴場「萩の湯温泉」(同市岩瀬荒木町)は、15日に「銭湯王」に名前を変えてリニューアルオープンする。店主で2代目の越戸保さん(74)の体調不良で2月に廃業したが、県内で温泉施設を営むロイヤルスター(高岡市木津、坂田信二社長)が建物や設備を借り上げて運営していくことが決まった。半世紀近く続く伝統ある「地域の社交場」の存続に、地元の人は胸をなで下ろしている。 (報道センター・花田千恵)

 萩の湯温泉は、1969年に先代の故・越戸時雄さんが、明治時代から歴史のある銭湯の経営権を買い取って創業。2001年に時雄さんが亡くなってからは、息子の保さんが妻の恵子さん(64)と二人三脚で切り盛りしてきた。

 赤褐色に濁った天然温泉100%の「赤湯」はお湯が滑らかで柔らかく、関節痛や神経痛、冷え性に効くとたくさんの地元住民から愛された。「ここの風呂じゃないと」「近所の人との会話が楽しみ」と、開店前に常連客が店の前に列を作ることもあった。

 保さんが体調を崩したのは昨年5月。治療に専念するため11月まで休業し、12月に一度再開したものの体調が優れず、年末に再び休業した。これ以上続けるのは難しいと家族が判断し、廃業した。地元に一つしかない銭湯の廃業に「残念だ」「さみしい」と惜しむ声が上がったという。

 それを知り声を掛けたのが、ロイヤルスターの坂田社長だった。「地元で人気の萩の湯がなくなると困る人が多い。伝統ある湯を復活させ、守っていきたいと思った」と言う。保さんは「名前が変わっても、続いていくのならうれしい」と快く承諾した。

 リニューアルオープン後、館内には新たに、うどんや丼物などが食べられるスペースを設ける。開館時間は午後3時から同8時で元日以外営業する。恵子さんは「これからもずっと続いていってほしい。岩瀬の盛り上がりの一助になれば」と話している。

北日本新聞社

最終更新:5/10(水) 0:29
北日本新聞