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防犯カメラ設置に住民合意は? プライバシー保護は? 沖縄の市町村に聞いた

沖縄タイムス 5/10(水) 7:45配信

 昨年発生した元米海兵隊員の軍属による暴行殺人事件を受け、国が全額補助する防犯カメラ緊急整備事業で、導入を決めた33市町村のうち、住民への説明や合意取り付けについて「予定なし」「今後判断」とする自治体が43%に上ることが担当者への聞き取り調査で分かった。プライバシー保護に必要な運用規定の制定についても、64%が「予定なし」と回答。地域への説明や合意形成を置き去りに、「設置ありき」で事業が進む現状が浮き彫りになった。

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 政府が「県民の安全と安心の確保」の名目で実施する防犯カメラ緊急整備は単年度事業で、約8億円の交付を決めている。事業を主管する沖縄総合事務局は、防犯カメラ設置について「映像に写る範囲の住民合意が必要」と説明する。

 那覇市と豊見城市は「本年度内に合意形成は難しい」として導入を見送ったが、33市町村は3~109機の計1337機を申請した。

 住民合意の「予定なし」とした自治体は「住民代表の要望があった」(宜野湾市、宜野座村、与那原町など)や、「公園などに設置。民家は写らない」(南城市、北谷町など)などと回答した。

 防犯カメラには不特定多数の人が写る上、警察捜査にも使われるため、行政が設置する場合には「正当性や効果、運用などの妥当性が求められる」との裁判所判例がある。

 情報流出防止や目的外利用の禁止、映像の保存期間など、プライバシー保護に欠かせない運用規定についても、条例や内規で制定したのは9%にとどまり、「予定なし」は64%に上った。

 市部では「検討中」「他市町村と足並みをそろえる」とした糸満市、南城市以外は「制定済み」「今後予定」が占めた。一方、24町村の8割に上る19町村は「予定なし」と回答し、情報保護の意識の低さが表れた。

 また、市町村で過去に防犯カメラを設置したことがあるかを聞くと、67%が「ない」と回答。運用への戸惑いや、導入が急に決まった上、単年度事業に設定されたことに「準備が追いつかない」との指摘が広く聞かれた。

最終更新:5/14(日) 0:15

沖縄タイムス