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【ライターコラムfromC大阪】一歩ずつ着実に、昇格1年目の舩木翔 勝利に貢献してU20代表へ

5/10(水) 14:05配信

SOCCER KING

 セレッソ大阪のアカデミー育ちとしては、南野拓実(ザルツブルク)以来となる、昇格1年目からトップチームでの出場をコンスタントに果たしている舩木翔。C大阪U-12から桜育ちの彼に対する周囲の期待は大きい。ただし、尹晶煥監督は、甘い顔は一切見せない。舩木にとってトップチームでのデビュー戦となったJリーグYBCルヴァンカップ第1節・横浜Fマリノス戦の前には、「可能性のある選手だとは思うが、まだ何かが特別秀でているという話はできない。今は大変なことを乗り越えていく時期」と彼に対する評価を問う報道陣を制した。

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 それは、FIFA U-20ワールドカップ韓国2017を戦うU-20日本代表に選ばれた後も同じ。「左利きのサイドバックとして可能性がある選手だが、まだまだ成長過程にある選手。今は少しプレーに余裕がなく、持ち運べるところで慌ててパスしてしまう場面も見受けられる。守備のポジショニングについても課題はある。まだ若いので、今は経験を重ねている最中。今、評価をするにはまだ早い。うまくなるためには、自分が直接ピッチで感じた足りないところを埋める努力することが大事」と冷静に話した。

 もっとも、舩木本人の自己評価もシビアそのもの。ここまで、ルヴァンカップではすべて先発としてプレーしてきた中で、第1節こそ自身のキックから2得点が生まれて試合後には笑顔も見られたが、続く第2節のヴァンフォーレ甲府戦では、「自分のところで時間ができた中、裏に蹴りすぎてしまった。自分のところでもう少しうまくチャンスメイクすることができれば、攻撃ももっとうまくいったと思う」と自身が「武器」だと自負するクサビやビルドアップでの課題を口にした。第3節のサガン鳥栖戦では、自身のサイドを狙われて失点し、途中交代。「相手にはリーグ戦にも出ている主力選手が何人もいて、違いを見せられた。自分のところから失点して、自分はまだまだだと気付かされた」と守備や球際の部分で反省した。

 ただし、それは、指揮官の言う「自分が直接ピッチで感じた足りないところを埋める努力する」作業を毎試合、繰り返している証でもある。プロ入り後、ここまでの自己評価は「課題だらけ」(舩木)と総括するも、そういった冷静な自己分析は必ずや将来につながる。厳しい言葉を投げかける指揮官自身、「今、彼はとても頑張っている。プロは競争の世界。本人が競争に勝つために努力することが大事。未熟な部分も見つめて、自分自身で課題を感じていければ、もっと成長していける」と舩木のひたむきな姿勢を評価する。

 厳しいプロの世界で早速、揉まれ始めた格好だが、そこはまだ19歳になったばかりの若者。素顔は屈託のない、人懐っこい性格だ。トップチームでのデビュー戦の前には、「3歳か4歳の頃、家族で宮島へ旅行した時に、落ちている松ぼっくりを左足で蹴り続けていたら、お父さんが『サッカーしたら成功するんちゃうか?』と言ってくれたのが、サッカーを始めたきっかけ」といった幼少期のエピソードを明かし、U-20日本代表に選出された際は、「両親から『韓国行きのチケットはもう取ったから、選ばれへんかったら困る』とプレッシャーをかけられていたので(選ばれて)ホッとしました(笑)」という冗談でその場を和ませた。今節のルヴァンカップ第5節・アルビレックス新潟戦を戦い終えると、U-20代表へ合流し、決戦の地・韓国へ旅立つ。試合前日の9日、「自分の持っている力を100%出せるように頑張りたい。いいイメージを持って代表に向かいたい」と新潟戦へ向けた抱負を話した舩木。グループリーグ突破へ近づくチームの勝利に貢献し、勇躍、U-20日本代表へ合流する。

文=小田尚史

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最終更新:5/10(水) 14:05
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