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持ち主を失ったフェラーリ、世界で最も高価な車か-110億円突破も

5/10(水) 6:22配信

Bloomberg

世界の自動車ファン垂ぜんの的の一つ、「フェラーリ275 GTB/Cスペチアーレ」(1964年)がドライバーを失った。その人物とは米資産家プレストン・ヘン氏で、フロリダ州南部で巨大フリーマーケットを運営しカーレース好きだった同氏は先月末、86歳で死去した。

同車は、希少価値や伝説で歴史を築いたブランドであるフェラーリの中でも、最も希少性が高く、エピソード豊富なモデルかもしれない。オークションに出品されることになれば、1億ドル(約110億円)を突破する最初の車になる可能性もある。

クラシックカーの価値が何倍にも上がるためには、外観やデータの良さだけではなく、コレクターが「来歴」と呼ぶ華々しい経歴が必要となる。ヘン氏のフェラーリはそうした来歴が豊富だ。1965年のルマン24時間耐久レースのクラス別で優勝したこともある。

ヘン氏は何十年にもわたり同車を売ることに全く関心を示さず、フロリダ州フォートローダーデールにある巨大フリーマッケットとドライブイン映画館を併設した複合施設「スワップショップ」内で誇らしげに展示していた。ヘン氏はコレクターであるだけではなく、レーシングチームを運営し、自身も評判が高いドライバーだった。

同氏の友人でレース仲間でもあるロン・ボーゲル氏は、「10年ぐらい前、日本の大物コレクターから3500万ー4000万ユーロ(現在のレートで約43億-50億円)で買い取りたいとの申し出があった」と振り返る。「彼の答えは『私にその話を持ちかけるな』だったと思う」と述べた。

ヘン氏の「275 GTB/Cスペチアーレ」の価値は実際にどれぐらいあるのか。ハガーティ・グループの評価担当バイスプレジデント、ブライアン・レイボールド氏は、フェラーリ初期の「GTO」のようなレース史上の重要性はないと話すが、より優れた車であるほか、3台生産されたうちの一つと、より希少性が高い。

2014年のオークションでは、同モデルの一つが2940万ドルで落札された。レイボールド氏によると、ヘン氏のスペチアーレは5000万-7500万ドルで落札される可能性がある。

ヘン氏のフェラーリが市場に出回るかどうかは今のところ不明だ。同氏の遺族は、60年余り連れ添った妻のベティさんと4人の子供。同氏は生前、オートウィーク誌に対し、自分の死後もスワップショップでフェラーリの展示を続けるよう手配したことを明らかにしていた。

「彼にとって宝物だった。車に乗った状態で埋葬されたいと話していた時期もあった」と友人のボーゲル氏は語った。

原題:Is This the Most Valuable Car in the World?(抜粋)

Kyle Stock

最終更新:5/10(水) 6:22
Bloomberg