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稀勢の里、春場所激闘の照ノ富士と出稽古でニアミスも胸合わさず

スポーツ報知 5/11(木) 6:06配信

 大相撲の横綱・稀勢の里(30)=田子ノ浦=が10日、東京・墨田区の時津風部屋へ出稽古に出向き、同じく足を運んだ大関・照ノ富士(25)=伊勢ケ浜=と出くわした。春場所で優勝を争い千秋楽で本割、決定戦と2度、激突した因縁の2人は胸を合わさず。ニアミスに終始したが、春場所を制した横綱が右上手を引いての盤石な左四つからの寄りを見せつければ、大関は豪快なつり落としを公開と刺激しあう形となった。

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 空気が引き締まった。稀勢の里が、痛めている左上腕などにテーピングをして稽古場に戻ってきた。その姿を照ノ富士は何度か“ちら見”。その視線を感じながら、横綱は準備運動に専念したが、春場所で激闘を繰り広げた宿敵と同居する状況に、自然と因縁の雰囲気が充満した。

 お目当ては大関ではなく幕内・正代(時津風)だった。「伸び盛りだし、圧力もある」と三番稽古の相手に指名。いつもは抱えることが多い右手で上手を引くと、184キロの体重で圧力をかけて最後は左を差して寄り切る形を連発して15戦全勝。最後の2番は生命線の左おっつけを繰り出したが、不得手なはずの右を使った安定感は、ライバルに少なからず威圧感を与えたはずだ。

 春場所千秋楽。稀勢の里は負傷した左腕を使わず、突き落とし、小手投げと苦手の右からの攻めで逆転Vを呼び込んだ。この日の右上手は2か月前の死闘を思い出させた。「状態は上がってきてるし、かなり今日はいいんじゃないか」。手応えを感じた横綱に対して照ノ富士は無関心。「別に…。自分の稽古をやっていた。人の稽古を見る余裕はないです」。それでも三番稽古の最後には前日(9日)に痛めてテープを巻いた右肩を気にせず、十両・錦木(伊勢ノ海)に豪快なつり落としと敏感に相撲で反応した。

 稀勢の里にとって珍しい5日続けての出稽古は、前日に回復具合を診断した横綱・白鵬(宮城野)に続き、この日は照ノ富士と周囲に“化学反応”を起こし、本番への緊張感を高めている。注目の出場に関しては、「自分の中では十分にいい仕上がり。精神的にも落ち着いてる。自信を持っていければ」と前向き。くしくも15年の力士人生で初めて足を踏み入れたのは大横綱・双葉山が興した時津風部屋。横綱の大先輩以来、80年ぶりとなる初優勝から3連覇を目指す男が出陣の態勢を整えた。(網野 大一郎)

最終更新:5/11(木) 12:47

スポーツ報知