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全員が賛成するアイデアを疑う、革新的エクスペリエンスデザインに必要なこと

Web担当者Forum 5/11(木) 7:06配信

「エクスペリエンスデザイン」とは、ユーザー体験を中心に考える課題解決手法の1つです。ウェブサイト、アプリ設計などでもエクスペリエンスデザインが注目され始めたのはなぜなのか、前編では解説しました。

後編であるこの記事は、革新的なエクスペリエンスデザインを実現するためのハードルや業務の進め方などについて、引き続き電通エクスペリエンスデザイン部の岡田憲明氏に聞きます。

・前編「エクスペリエンスデザインとは? UXとは何が違う? 電通Creative Technologist 岡田氏に聞く」を読む

 

全員が「面白い」というアイデアはつまらない

――世の中にある事例で、革新的なエクスペリエンスデザインだと感じるものはありますか。

企業が提供するサービスは複雑化しており、単純に1つの要素だけを考えているだけでは、イノベーティブ(革新的)なサービスが生み出しづらくなっています。生み出されたプロダクトやサービスがイノベーティブかどうかは、「ユーザーエクスペリエンス」「ビジネス」「テクノロジー」の3要素が必要になってきていると私は考えています。

革新的なエクスペリエンスデザインとしては、「Uber(配車サービス)」や「Airbnb(民泊)」などのシェアリングサービスがわかりやすい事例です。

Uberの場合は、今まで原資にならなかった一般のドライバーを運転手にするというビジネスの面白さ、配車アプリというテクノロジー活用、そしてユーザーがストレスなくスムーズに移動できる体験の提供という3つの要素がそろっています。

Airbnbも世界中にいる空室を貸したい人(ホスト)と、宿泊先を探す旅行者をマッチングする新しいビジネスを生み出しました。宿泊先を探す人は、旅行や出張などのニーズにあわせた宿泊先をアプリやウェブサービスを使って簡単に選ぶことができます。また、昨年から宿泊に加えて、ホストが観光ツアーなどの体験を販売できるようになりました。

もう1つ、最近登場したAmazonの音声認識サービス「Alexa」もわかりやすい例ですね。音声認識と人工知能テクノロジーを利用した、会話型の新しいショッピングを体験できます。APIを解放してデータを集めることはAmazonらしくビジネスとして大胆ですし、サードパーティーと連携して、さまざまなユーザー体験を生み出そうとしているのは、さすがだと感じます。

しかし、イノベーティブなアイデアというのは議論を呼ぶので、なかなか会社で進めようと思っても進められないことがあります。よくある話が、アイデアを出しても反論する人が多く、社内説得ができないというものです。

イノベーティブなことを実現するには、まずは社内を説得して突破することが成功条件です。UberやAirbnbも企画書だけでは絶対に反対されそうですが、それを実現させたことが凄いと思います。

――イノベーティブなことは、いままでにない革新的なアイデアだからこそ、理解を得るのが難しいのですね。社内調整のためには何が必要でしょうか。

社内でも、クライアントの担当者でもいろいろなタイプの人がいるので、「この人には定量的にデータで説明しよう」「あの人には感覚的に訴えよう」というように、説明相手ごとに戦略を立ててコミュニケーションすることです。相手にあわせて、話を通しやすくする努力をしています。

ただ、アイデアを聞いた人全員が「面白い」と言うものは、最終的にサービスになるとつまらないことが多いですね。やはり議論を呼ぶぐらいでないと面白さはなく、反対する人が一定数いるぐらいでないと革新的ではないと思います。

 

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最終更新:5/11(木) 7:06

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