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骨髄・末梢血管細胞 茨城県内でドナー助成自治体増 

茨城新聞クロスアイ 5/11(木) 4:00配信

骨髄や末梢(まっしょう)血管細胞の提供者(ドナー)の経済的な負担軽減を狙いとした助成制度が県内自治体に広がっている。本年度、新たに14市町が導入、または導入を予定し、実施市町村は計20市町に拡大する見通し。背景には、県が昨年度、助成制度への補助を始めたことや、ドナーとして適合した人が仕事などで提供を辞退するケースが少なくないことなどがあるとみられる。関係者は、助成制度の広がりが「前向きな提供につながれば」と期待している。

本年度、助成制度の導入を予定しているのは、日立、つくば、守谷各市など14市町。2015年度は大洗町、16年度は水戸、取手、笠間、鉾田、茨城の5市町がそれぞれ導入した。

ドナーは骨髄や末梢血管細胞を提供する際、7日間程度の通院や入院が必要となる。制度は、ドナーの入院・通院の期間中(上限7日間)に1日当たり2万円を助成する。県は昨年度、市町村の助成金の半額を補助する制度を設けている。

ドナーの検査や入院費用は支給されるものの、仕事を休んで給与が支払われないケースなどが見込まれることから、負担を軽減するのが狙い。昨年度までに制度を導入した6市町で、助成の実績は1件にとどまっているが、県の担当者は「制度の拡大によってドナー登録者数の増加にもつなげたい」とする。

日本骨髄バンクによると、全国のドナー登録者は47万270人(17年3月末)。登録者の増加により、ドナーが見つかる確率は96%を超えている。一方、最初に適合したドナーが患者への提供に至る割合は6割を下回る。辞退した理由は、仕事の都合がつかないなど健康上以外が6割を超えている。

同バンクは助成制度の導入が辞退の減少につながる可能性があるとみて「若い方などに提供に前向きになってほしい」と期待する。

つくば市の楠木結子さん(39)は15年7月に骨髄を提供した。急性骨髄性白血病と診断された夫豪さん(38)が13年に骨髄移植を受けて順調に回復した経験から、骨髄バンクに登録していた。骨髄を採取するため3泊4日で入院し、その間、豪さんが仕事を休んで長女(6)の世話をしたという。

結子さんは、助成制度を実施する自治体の拡大について「仕事をしている方がドナーになった場合、休みを取る関係など会社とのやりとりが大変なこともあると思う。助成金の支給がドナーを引き受ける助けになってほしい」と話した。 (成田愛)

■骨髄ドナー助成制度の導入状況(4月1日現在)
年度   導入市町村
2015 大洗町
2016 水戸市、取手市、笠間市、鉾田市、茨城町
2017 日立市、常陸大宮市、石岡市、つくば市、牛久市、守谷市、龍ケ崎市、つくばみらい市、古河市、桜川市、神栖市、潮来市、行方市、阿見町
※2017年度は導入予定含む。県の資料を基に作成

茨城新聞社

最終更新:5/11(木) 11:11

茨城新聞クロスアイ