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ミレニアル世代のお金のアシスタント?「Amazon Alexa」とCapital One

ZUU online 5/11(木) 12:10配信

Capital One Financialがバンキング革命の一環として、Amazon Alexaを採用した。Amazon Echoなどのデバイスとの融合により、従来のバンキングサービスをオンラインの対話式で自動提供するという画期的な発想だ。

残高照会や支払いが指1本動かすことなく完了するほか、モバイルアプリを活用すれば高度な預金・支払い管理も難なくこなす。バンキングをさらに消費者の生活と密着したものへと向上してくれる、次世代バンキングの旗手となりそうだ。

■「Amazon Alexa」に秘められた可能性

音声に反応するAI(人工知能)スピーカー「Amazon Echo」とともに、Amazonが2014年に発表したAlexa。Echoなどのデバイスにばかり話題が集中しがちだが、EchoやほかのAlexaデバイスを機能させるうえで中核となるクラウドベースの音声認識サービスだ。

Alexaがデバイスをとおしてクラウドサービスに送信した音声は、テキストに変換後処理される。その処理結果が「回答」としてデバイスに再送信される仕組みだ。ひと昔前までは一種の空想に過ぎなかったロボットによるパーソナル・アシスタントが、Alexaの登場で現実となった。

Alexaに秘められた可能性は、今後ユーザーとの対話がどれほどシームレスなレベルへと発展するかによって、大きく開かれていくだろう。現時点では音楽、エンターテイメント、ニュース、ゲーム、オンラインショッピングなどの日常的な活用領域から一歩踏みだし、金融セクターへの進出も果たしている。

■Alexaで次世代バンキングを実現したCapital One

Alexaとタッグを組むのは米金融大手、Capital One Financialだ。AlexaとEchoやAmazon Fireなどのデバイスを融合させることで、クレジットカードの残高照会や取引履歴が確認できるサービスを2016年3月に開始した。その後サービス内容を拡大し、現在はAlexaモバイルアプリの「Capital One skill」を利用することで、音声による細かい支出照会などもできる。

Alexaに特定の週末の支出を質問すると「10月15日から16日にかけて、このカードを利用して合計90.25ドル支出しました」というような回答が返ってくる。あるいは特定の小売店と期間を指定すれば、「9月はスターバックスで合計43ドル支出しました」といった具合だ。

さらには「Capital One skill」に住宅ローンや自動車ローンの決済情報を登録しておけば、Alexaをとおして音声決済や残高照会、支払い期限の確認なども可能だ。オンラインや電話による支払いや照会の手間が省け、浪費や払いわすれ防止にも役立つ。

カードやローンの支払いも一言命じるだけで即座にすませてくれる、頼りになる「パーソナル・アシスタント」だ。

■スタートアップから大手銀行までAlexaの可能性を模索

Capital Oneの大胆なアプローチが、デジタル技術に親しんだミレニアル世代を意識した戦略であることは明白だ。金融サービスプロバイダーのFISもAlexaとEchoによるミレニアル層向け金融リテラシーサービス「FIS Faye」を開発し、2016年に米決済情報サイト「PYMNTS.com」が主催したAlexa ChallengeコンペティションでMost Disruptive賞を受賞した。

大手金融機関ではウェルズ・ファーゴもAlexaに関心を示しており、自社のデジタル研究施設「ウェルズ・ファーゴ・ラボ」でEchoを利用した送金サービスやスマートウォッチなどのデバイスとの組み合わせの実験を行っていると、2016年3月にアメリカン・バンカー紙が報じている。

音声対応機能を金融業務に組みこむという試みは、AlexaだけではなくAppleの「Siri」やGoogleの
「Google Assistant」でも実現可能だろう。すでに独モバイルバンク、N26(旧Number 26)は、Siriによる音声送金サービスを開始している。

■「Capital One ラボ」開設 イベントをとおして若い才能を発掘

Alexa をとおしたさらなるデジタル改革の飛躍に向け、Capital Oneは優秀な技術者の発掘にも熱心だ。2012年にサンフランシスコにデジタル研究施設「Capital One ラボ」を開設したのを皮きりに、現在はニューヨークとワシントンD.C.でも、独自の研究・開発を進めている。

テキサス州で毎年開催されている音楽と映画、テクノロジーを融合させたイベント「SXSW(サウスバイサウスウエスト)」のスポンサーを2016年から2年連続で務め、トークショーなどでFinTechの知識を広範囲に広めると同時に、技術者や開発者との交流も図っている。

2017年3月のイベントでは、Alexa に関する情報は勿論、API商品の開発やロボット・アドバイザーの未来についてまで、多様なFinTechセミナーを実施した。金融機関がFinTechに対応するうえで、こうした積極性と向上意欲が不可欠となるはずだ。「競合」ではなく「協力」しあう姿勢、既存の「常識」や「伝統」にとらわれない柔軟な思想が、次世代金融産業の幕開けを飾ることになるだろう。(提供:MUFG Innovation Hub)

最終更新:5/11(木) 12:10

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