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小遣い「月4421円減」で浮き彫りになった日本経済の限界

日刊ゲンダイDIGITAL 5/11(木) 9:26配信

 サラリーマン夫婦の厳しい懐事情が、日本経済の先行きの暗さを映し出している。明治安田生命の「家計に関するアンケート調査」によると、夫婦の月平均小遣い額は前年から4421円(!)も減って2万5082円となり、調査開始以来、最低を記録した。同調査によると夫のランチ代は平均704円なので、6日分の「昼飯代」が消える計算だ。さすがにもう育ち盛りではないだろうが、1日2食はきつい。

 調査を担当した明治安田生命チーフエコノミストの小玉祐一氏はこう言う。

「小遣いが減った原因として考えられるのは、依然として賃金が増えていないことと、若者世代を中心に、将来の社会保障に対する不安が拡大していることが挙げられます。景気は上向いているとされますが、デフレ脱却には力不足で、ベアにまで踏み込む企業は少ない。誰もが賃金の伸びを実感できる状態ではないのです」

 総務省の賃金構造基本統計調査によると、2016年の所定内給与額は33万5200円。2001年の34万700円をピークに減少傾向が続いている。これでは小遣いも減って当然だ。

 もっとも企業の業績は悪くない。野村証券の企業業績見通しによると、2017年度は前年度に比べて5.4%の増収、14.6%の経常増益と予想している。普通だったら、業績が良くなれば社員にも還元されるはずだが……。

「人口の減少は国内市場の縮小を招きます。海外展開している企業以外は、人件費の面で慎重にならざるを得ない。賃金アップのためには、よくいわれることですが、社会保障制度改革と成長戦略が欠かせないのです」(前出の小玉祐一氏)

 政府は最近、人工知能やIoTによる「第4次産業革命」を成長戦略の柱に掲げている。だが、「インターネット」が新語流行語大賞のトップテンに入ったのは1995年で、それ以降、日本人の暮らしは革命的に変わったものの、GDPを比べると1995年の512兆円は2014年の513兆円と大差ない。革命が成長をもたらすというのが幻想である可能性は高いのだ。

最終更新:5/11(木) 9:26

日刊ゲンダイDIGITAL