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リチウムイオン急成長 蓄電池市場は10年で4.7倍に

5/11(木) 17:30配信

ZUU online

富士経済が発表した「エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望」によると、電力貯蔵、住宅用貯蔵の両システム向け二次電池の需要は2025年に、2016年比でそれぞれ4.7倍、4.1倍と大幅に拡大するという。

二次電池の中で最も注目されるのはリチウムイオン二次電池(LiB)である。同社は、住宅用途が世界市場全体で4.1倍、日本が2.6倍になると予測している。小型民生用リチウムイオン二次電池需要が増大して、特に車載用リチウムイオン二次電池の爆発的な市場拡大が予想されている。

■リチウムイオン電池はエネルギー密度高く小型軽量化へ

リチウムイオン電池とは、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池のこと。電極材料はさまざまで、正極にコバルト酸リチウムなどリチウム金属酸化物、負極にカーボン系の炭素(グラファイト)を用いることが多い。正極と負極の間にセパレーターを挟んで何層にも積み重ね、有機溶媒の電解質で満たす構造になっている。最近では電解質にゲル状の高分子を利用したリチウムポリマー電池が開発されるなど、日進月歩だ。

リチウムイオン電池は平均して3.2-3.8Vあり、車載用ニカド(Ni-Cd)電池やニッケル水素電池のほぼ3倍の電圧を得ることができる。また、エネルギー密度は、ニッケル水素電池に比べて、体積エネルギー密度で約1.5倍、重量エネルギー密度で約2倍となる。同じ容量であれば、リチウムイオン二次電池は、ニッケル水素電池の3分の2の体積、半分の重さに小型軽量化することができる。

■用途広がり需要はうなぎ上り

富士経済によると、2015年の市場は電力貯蔵市場で7792億円、住宅用蓄電市場で2080億円となる。注目されるリチウムイオン電池は、韓国や中国製品の進出で単価が大幅下落している。それに応じてさまざまな用途で需要がうなぎ上り。数十、数百MWhの大規模用途や4-5時間ほどの長時間出力用途も増えている。

電力貯蔵分野では、中・大容量無停電電源装置(UPS)や無線基地や自宅用バックアップ電源など。フォークリフトなど動力分野や、フィーチャーフォンやスマートフォン、ノートパソコン、タブレット向け家電分野など用途が広がる。さらにドローン、ウエアラブルデバイス、家庭用電動ロボット、無人搬送車(AGV)電動アシスト自転車など、数え切れない。

2015年の世界市場シェアは三洋電機の事業を吸収したパナソニックが世界トップで約21%。韓国サムソンSDIが世界2位と続いている。国内ではそのほか、GSユアサ、NECエナジーデバイス、日立ビークルエナジー、エナックスなどのメーカーそれぞれ、LiBの得意分野を活かして、製品開発にしのぎを削っている。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

最終更新:5/11(木) 17:30
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