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【インタビュー】24時間年中無休の俳優・山田裕貴、鎖国時代を変えた人気俳優との出会い

5/11(木) 17:00配信

cinemacafe.net

溝端淳平が本格ヒーローアクションに初挑戦する映画『破裏拳ポリマー』で、相棒の新米刑事を演じるのが俳優の山田裕貴。特撮ドラマ「海賊戦隊ゴーカイジャー」(2011)で俳優デビューした山田さんにとっては、原点ともいえる古巣カムバックだ。ただ今回は変身しない側としての出演で、演技力が試されるコミカルパートも担当する。本作公開を皮切りに、2017年はテレビドラマ・映画ともに出演作が複数待機中。特撮出身俳優が注目株になった理由とは。

【画像】2017年話題作の出演が控える山田裕貴

俳優としての分岐点に山田さんが挙げるのが、福士蒼汰・有村架純と共演した映画『ストロボ・エッジ』(2015)。原作は人気コミック。ゆえにキャスティングを巡ってネットは荒れた。「僕の役は蒼汰と架純ちゃんを奪い合う役柄でした。僕は当時、2人と比べて役者として世間の皆さんの認知度も低く、自分で自分の名前を検索すると『誰こいつ』と僕の出演に対して賛否の否しかありませんでした。日本中の女子高生が敵になった気分で、もう悔しくて、悔しくて…。でも、それが自分の役者魂に火をつけたんです」と奮起する契機に。


だが現場で再び打ちのめされる。「目にしたのは、蒼汰と架純ちゃんのスター性でした。普段はフラットな感覚でいるけれど、一歩外に出るとスイッチが入って切り替わる。そのプロとしての姿に感激すると同時に、自分に欠けているものを見せつけられたような気がしました」とふり返る。

それまでの山田さんは、鎖国時代だったという。表面的には明るく振る舞っているが、心根は誰にも見せないようにしていた。そこに有村さんや福士さんという名の黒船来航。「このままではマズイ。しかし2人と同じようなものを目指しても意味がない。ONとOFFをなくして自分自身を解放しなければならない」と決意。いまでは「どんな場面でも素直に自分を出す。どんな相手であっても、腹を割ってきちんとコミュニケーションをとる。プライベートでも感情の赴くまま、行きたいと思った場所にはその日のうちに行き、精一杯楽しむ」に変えた。

仕事が上手くいかずに悩むことは多々あるが「何もかもを自分のせいにすることで退路をなくし、前を向かざるを得なくしています。『なぜ評価されないのか?』『それは自分に魅力がないから』『ならば努力しかない』、『芝居の実力がない』『ならば上げればいい』。周囲に責任転嫁をして逃げるのは簡単です。でもそれでは成長しません。落ち込んだっていい、人間ですから。僕以上に売れている人たちのことを考えると『こんなことで立ち止まってはいられないだろ』とつねに思います」と同志たちの存在が砥石代りだ。

リフレッシュタイムはゲームをする時間。「RPGをやっていると主人公に成り切った気分になって、自分でセリフを作って喋りながらプレイすることもあります。その言葉が主人公のセリフと一致するときもあるんです。例えば、甲子園を目指す野球の選手育成ゲームでは、“実は難病を隠していてこの夏しか投げられない”“中学まではスターだったが高校になってスランプ”とかキャラクター全員の裏設定を考えます。完全に妄想癖ですね(笑)」と照れ笑いも、遊びの時間が役柄を読む俳優としての筋力トレーニングになっている。


「俳優業に休日はありません。日常だって全部仕事と思っています。こうやって取材を受けているときの自分の受け答え、身振り手振りを覚えておけば、そのリアルな感じが何かの演技のときに必ず役に立つんです。普段の何気ない仕草に、観客の共感を呼ぶヒントがあるはずです」と24時間年中無休の構え。その情熱が監督たちを突き動かす。『破裏拳ポリマー』の坂本浩一監督も含めて、再起用が多いのも山田さんの特徴だ。

「特に坂本監督は僕の原点である『海賊戦隊ゴーカイジャー』でもご一緒しました。再び起用していただくのは俳優としての喜びですし、おのずと前回以上のパフォーマンスをという意気込みにも繋がります。前回の信頼関係があるからこそ、躊躇なく挑戦できるし、殻を破ることもできるんです」と成長しか感じない。

今作では特撮という古巣に戻ったものの、変身しないキャラクターを初体験。「仮面ライダーには変身しない相棒がいますが、その気持ちが痛いほどわかりました。一緒に戦いたいけれど変身できないから見守るしかないジレンマ。見守るつらさを、身をもって経験したことで役の気持ちとのリンクがありました」。同じ特撮ジャンルながらも、デビュー時には得ることのできなかった心境に。この発見がたまらない。だから精進せざるを得ないのだ。

最終更新:5/11(木) 17:00
cinemacafe.net