ここから本文です

専門医が指南 GWで狂った体内時計をリセットする生活習慣

日刊ゲンダイDIGITAL 5/11(木) 9:26配信

「ゴールデンウイーク(GW)の終盤は遠出せず、連休明けに備えてしっかり“寝だめ”したはずなのに、いまだに仕事モードにならず朝から眠気が取れない」――。そんな人も多いのではないか? GWに限らず休み明けは日中に眠くなる。どうすれば眠気を一掃できるのか? 日本睡眠学会認定医で「むさしクリニック」(東京・小平市)の梶村尚史院長に聞いた。

「休み明けの眠気の原因は寝不足や遊び疲れだと思う人も多いのですが間違いです。本当の理由は、体内時計が狂って眠りのリズムが崩れてしまうから。早く寝て睡眠時間を増やしても解決しません」

 ガムやカフェイン入りの飲み物で眠気を吹き飛ばそうとしても単なる一時しのぎ。根本的な解決にはならない。

「人間は本来、1日25時間の生体リズムを『光同調因子』と『社会的同調因子』によって1日24時間にリセットして生活しています。連休中、『夜更かしして翌日は昼すぎまで寝る』『親しい人としか会わない』という生活を続けていると、同調因子が働かずに生体リズムが狂って朝スムーズに起きられず、日中に眠気が襲ってくるのです」

“たかが数日の休みで生体リズムが崩れるはずはない”と思う人もいるだろう。しかし、生体リズムは1日で崩れてしまうこともあるという。

 これを是正するにはこの2つの因子をリセットすることだ。

「まずは決まった時間に起きて、太陽の光を全身に浴びる生活を取り戻すことです。体内時計をつかさどるのは脳にある視交叉上核です。ここに視神経から入った光刺激が伝わることで、覚醒します。朝起きたらカーテンを開けて光を浴び、体操や散歩など軽い運動をするのがベストです」

 通勤までに時間があればシャワーを浴びるのもいいという。

「顔を冷水で洗うのもいいのですが、シャワーで全身の皮膚を適度のお湯で刺激すると交感神経にスイッチが入り、覚醒モードになります」

■夜の照明も大切

 朝食をキチンと取ることも大切だ。血糖値を上げることでより覚醒する。

「起きたばかりで消化機能が準備できない状態でたくさん食べる必要はありませんが、朝食は重要です。人間は朝食で体内時計のずれを調整しているからです」

 どうしても日中に眠気が消えず仕事に支障が出そうなら軽く昼寝をするのも悪くない。

「ただし、30分以上寝ると本格的な眠りに入ってしまい、起きてボーッとして夜の眠りの質にも影響します。20分程度にとどめるべきです。また、昼間に運動するなどして夜ぐっすり寝られる状況にすることも大切です」

 夜間に深い睡眠をしっかり取るためには夜の照明も大切だ。

「眠りにつく3時間前にはテレビやパソコンのスイッチを切り、2時間前には玄関の明かりくらいの暗さに落とすことが理想です。脳の松果体から分泌されるメラトニンは『睡眠ホルモン』といわれ、目から入る光の量が減ると増えていきます。だから寝る前は目に光が入らない環境を整えることが大切なのです」

 また、寝る前に食べてはいけない。

「“満腹だと副交感神経が優位になって眠くなるからいいんじゃないか”と考える人がいますが、これも間違い。寝ている間に消化器官が食べ物を消化しようと活動するため眠りが浅くなり、脳を休めるのに必要な深い睡眠ができなくなります」

 どうしてもお腹がすいて寝られないのならホットミルクを飲むといい。牛乳にはトリプトファンが多く含まれ、体の中に入るとメラトニンやセロトニンという精神を静めて睡眠効果をもたらすホルモンに変わる。

 睡眠薬代わりに寝酒をするのはやめた方がいい。深い眠りを減らして睡眠の質を悪くする。

「休み明けの眠気というと、睡眠相がずれて明け方くらいまで眠れず、朝起きられない『睡眠相後退症候群』を想像する人がいます。しかし、1週間程度生活のリズムが変わったからといってこの病気を発症することはまずありません」

 ただし、十分寝ても眠気が取れない状態が続くようなら、「睡眠時無呼吸症候群」「うつ病」「むずむず脚症候群」「周期性四肢運動障害」などの病気が潜んでいる可能性が考えられるという。

最終更新:5/11(木) 9:26

日刊ゲンダイDIGITAL