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2時間の差は人生の差

5/11(木) 10:58配信

ITmedia ビジネスオンライン

※この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。

●2時間早く帰れるかどうかで、人生が大きく変わる

 長時間労働を解決していくのに必要なのは、労働時間を短くすることだけではありません。生産性を上げていくことが大事なのです。

 あと2時間早く帰ることができるだけで、勉強したり、人に会ったりできます。その差は、2時間でしかないのです。2時間早く帰ることができる人と、帰ることができない人には、仕事の量ではなく生産性の差があるのです。

 2時間の差は、人生の差になっていきます。

 以前一緒に仕事をしていて独立した男性と、久しぶりに仕事をすることになりました。彼に会った時に、パッと見て、服装がラフになったと感じました。

「以前はあんなにきっちりとしていたのに、なんでラフになったんだろう」と、違和感を覚えました。会社から独立したので、上司にあたる人がいないからということもあります。

 もう1つ気になったのは、以前は仕事のスピードが速かったのに、遅くなっていたことです。本来、独立してスピードが落ちるのはおかしいのです。それでは食べていけません。

 服装と仕事のスピードは連動しています。

 仕事のスピードを上げたい時ほど、きちんとした格好をすることです。ユニフォームを着ると、仕事は早くなります。軍服や工場のユニフォームも「きちんとした格好」です。汚さないように上着を脱いだり、腕まくりするのは逆です。ラフな格好をすることで、仕事のスピードは遅くなるのです。

●独立すると、スピードが落ちる。

 独立して成功する人と、失敗する人がいます。その差は、独立して仕事が早くなるか遅くなるかの差です。独立して仕事が早くなる人は成功し、遅くなる人は失敗するのです。

 本来、独立したら仕事のスピードが上がらないとおかしいのです。ところが、たいていの人はスピードが遅くなります。上司がいなくなるからです。上司がいる間は、上司に「あれはどうなっている?」と聞かれると困るので、必然的にスピードは上がります。

 独立して上司がいなくなった瞬間、締切がなくなって、遅くなります。スピードを上司に合わせていたからです。この感覚の人は、上司が休んだり、気づかれたりしなければスピードが遅くなります。みずからの意思でスピードを上げようとはしないのです。もちろん、独立した人全員が遅くなっているわけではありません。

 上司がいなくなって、

(1)スピードがさらに速くなる人

(2)気が緩んでスピードが遅くなる人

の2通りに、くっきりと分かれます。

 独立して成功する人と失敗する人との分かれ目は、ここにあるのです。

●遅刻しない人は、電車が遅れても遅刻しない

 強風や人身事故で電車が止まることは、よくあります。仕事が遅い人は、「電車が止まったから遅刻した」と言い訳をします。仕事が早い人は、同じように電車が遅れても遅刻はしません。言い訳をする人は、電車が遅れたのだから遅刻をしても仕方ないと思っています。

 同じ路線で来ても間に合っている人がいることに、気づいていないのです。遅れる人は、常にギリギリで動いています。遅れない人は、電車が止まることを想定して早めに来ているのです。

 電車に遅れてミーティングに参加できないと、後で上司に「ミーティングの報告をするから残れ」と言われます。結果、帰るのが遅くなります。

 世の中は、いつ何が起こるか分かりません。

 電車が遅れた場合を想定してクッションを前に置いておくことで、早く帰れるのです。時間ギリギリに行く人は、すべてのことに対してギリギリで行動します。時間を節約しようとして、結果、時間を浪費してしまっているのです。

●クビになる一番の原因は、遅刻だ

 会社をクビになる原因は、たったつ、遅刻です。仕事ができないからクビになる人はいません。どんなに仕事ができても、遅刻をする人はクビです。

 僕はいろいろな種類のコンテストの審査員をしています。最初に選考から外されるのは、遅刻をする人です。遅刻をする人が選ばれることはありません。遅刻は全員が見ています。

 遅刻をすることによって、その人の態度が傲慢(ごうまん)に感じられます。本人も、「ちょっと遅刻しただけじゃん」と、傲慢になっていきます。「傲慢だから遅刻をする」→「遅刻をするから傲慢になる」という負のスパイラルに入っていくのです。

●ランチの食べすぎで、午後のスピードが落ちる

 午後の仕事の生産性は、人によって違います。単純に、ランチを食べるのが遅い人はしくじっています。まずは食べすぎです。腹8分目でも、午後の仕事のスピードが落ちます。眠くなるからです。

 サッカーの試合に例えて前半が午前、後半が午後とすると、後半の頭で2点ぐらい点を取られてしまうイメージです。サッカーの試合途中で、ご飯を食べる人はいません。仕事の途中では、なぜか平気でランチを食べます。

 もちろん、空腹で血糖値が下がると頭は回りません。逆に血糖値を上げすぎても、眠くなって頭が回らなくなります。

 多くの場合、会社のランチタイムは1時間です。しかし、僕が行っているビジネススクールの講義のランチタイムは30分です。それ以上の時間はいりません。みんな30分で食べ終わって、あとの30分はダラダラしているからです。このダラダラ感で、後半のダラダラリズムができ上がります。

 まずは、ランチを食べすぎないことです。実際、忙しい人たち、たくさんの仕事をこなしている人たちは、昼食はほとんど食べません。TVの売れっ子で、1日1食という人もたくさんいるのです。

 もう1つの遅くなる原因は、食べるのが遅い友達と一緒にいることです。遅い人に「早く食べて」とは言えません。僕は、博報堂にいる時から、ランチは1人で行っていました。お昼休みは貴重な仕事タイムです。

 食べるのは5分です。行くのは近くのお店です。出てくるのが遅い店には行きません。よく行っていたのはビュッフェです。自分で取るスタイルなので、料理が出てくるまで待たなくていいからです。

 おいしい店は、料理にこだわって、手間ヒマかけて作っています。残念ながら、料理がすぐに出てこない店は僕のランチのリストから外しました。OLは連れ立ってランチに行くのが習慣です。男性でも、上司と一緒に行く人は、つまようじを口にくわえながらダラダラしています。あのつまようじで午後のテンポが遅くなります。

 仕事が早い人は、ランチは1人で行きます。そうすることで、自分のテンポを邪魔されないようにしているのです。ランチタイムの過ごし方で、人生の時間が変わってくるのです。

(中谷彰宏)

(ITmedia エグゼクティブ)