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<性の多様性>「なくそう!SOGIハラ」偏見解消訴える

毎日新聞 5/11(木) 10:41配信

 性の多様性にまつわるいじめや嫌がらせをなくそうと、性的少数者の人やその支援者らが、差別解消の法整備を目指すキャンペーンを今月から始めた。「SOGI(ソジ)ハラスメント」と名付け、実例を広く知ってもらおうと体験談を募っている。

 「SOGI」は「Sexual Orientation(性的指向)」と「Gender Identity(性自認)」の頭文字で、好きになる性と自己認識する性を示す言葉として国際的に使われている。被害者が性的少数者かどうかは問わず差別的な言動をしたり、性的指向を許可なく公表したり、望まない性別の服装を強要したりするのが、SOGIハラとされる。

 東北地方の30代の同性愛者の女性は、障害者への介護職として就職したNPOでSOGIハラに悩まされた。

 飲み会で結婚や恋愛について聞かれたり、性的少数者への差別発言が交わされたりするのが苦痛で、壁を感じていた。上司に「心を開かないと」と注意され、悩んだ末に同性愛者であることを打ち明けたところ、こう告げられた。「同性の介助は今後させられない。いたずらするかもしれないから」

 NPOの代表に「障害者にも同性愛者はいるはずなのに……」と訴えると「手足の動かせない障害者は自殺できないけど、同性愛者は自殺できる。幸せじゃないか」と理不尽な言葉を返され、絶望した。やがて同性愛者であることが職場に広まり、不信感が募って退職した。女性は「SOGIハラという言葉が広がれば、苦しめられている実態が明らかになり、個人の性のあり方が尊重されるのでは」と期待する。

 SOGIを巡っては、昨年12月に改正された人事院のセクハラに関する規則で「性的指向や性自認に関する偏見に基づく言動」も該当すると明記された。キャンペーンを呼び掛ける有志団体の松中権(ごん)代表は「差別や偏見を浮かび上がらせ、法整備につなげたい」と語る。体験談の投稿はウェブサイト「なくそう!SOGIハラ」(http://sogihara.com)で受け付けている。【藤沢美由紀】

最終更新:5/11(木) 12:03

毎日新聞