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巨人快勝ムードを吹き飛ばす渡辺主筆の苦言

5/11(木) 17:02配信

東スポWeb

 巨人は10日、首位の阪神を相手に猛打爆発。今季最多の5本塁打を浴びせ、9―7で打撃戦を制した。ところが、快勝ムードが一瞬で吹き飛んだのは、試合後のこと。久々東京ドームに観戦に訪れた親会社トップの渡辺恒雄氏(読売新聞グループ本社主筆=90)が、今季のフロント補強を再びバッサリやったのだ。“総帥発言”をきっかけに、球団内は再び風雲急を告げている――。

 眠っていた打線が突如として火を噴いた。号砲は初回、4番・阿部の一発だ。二死二塁から6号2ランで先制すると、4回には坂本の5号3ラン、マギーの6号ソロで加点。5回には不振の長野が今季1号ソロ、6回にも坂本が2打席連発の6号ソロを放ち、試合は完全な巨人ペースで進んだ。

 先発の大竹寛が6回に崩れて4点を返されたが、ベンチは7回からマシソンを注ぎ込む必死の継投で阪神の反撃を振り切り、なんとか3連敗は阻止した。

 攻撃陣がそれぞれ存在感を発揮しての勝利に、由伸監督は「クリーンアップもそうですけど、前後も打てばつながって点になるんだなっていうのはね、点が入ればよりわかる」とご満悦。だが、連敗阻止にホッとしたのもつかの間だった。試合後“休火山”が久しぶりに噴火したのだ。

 ドームの正面玄関を出た渡辺氏は当初、上機嫌だった。待ち構えた報道陣の取材に笑みを浮かべて応じ「今日は良かった。ベリー、ベリー、ハッピーだ。昨日は負けたが、今日は実力が出た」と語った。ところがFA入団組の出遅れに質問が及んだ途端、顔色が一変。「ダメなのはあるよ。だって、3人(山口俊、陽岱鋼、森福)いねえじゃねえか。どこがダメか? スカウトに聞いてくれ。見る目がなかったんじゃねえか?」と球団批判を展開した。

 この発言が、堤GMを始めとした球団の編成部門へ向けられているのは明らかだ。球団内では「本社経営陣の中では、FA組の3人が一軍で働いていないことへの不満が相当高まっています。爆発するのは時間の問題でしょう」との声が漏れていたところだった。この日は山口俊より先に、人的補償でDeNAへ移籍した平良が中日戦でプロ初勝利を挙げるという体裁の悪い事実も重なってしまった。

 チームはこの日の勝利で首位阪神に2・5差と迫ったが、渡辺氏の発言を受けた球団内では「いよいよヤバい。これ以上、引き離されるようだと人事にメスが入るかもしれない」との物騒な声も上がっている。

 ただし、その一方では「カネを注ぎ込んだ3人がいないのは確かに都合が悪いが、陽岱鋼の獲得に関しては本社の意向でしょう。トレードで獲った石川や、新外国人のマギー、カミネロは戦力になっているし、首位争いに踏みとどまっている事実も見るべきです」との声も球団内にはある。

 そうはいっても、巨人において、渡辺氏の言葉は何より重い。そもそも球団史上初のFAトリプル補強も、同氏の発言がきっかけだった。首位広島に10ゲーム差離されていた昨年7月8日の阪神戦後「やっぱりこれはね、由伸の責任じゃねえからな。フロントだよ。補強してねえもん。今の陣容で勝てっていったって無理だよ」と球団フロントを叱責したことで、オフの巨大補強が動き出した。

 再び放たれた鶴のひと声で、一気に暗雲漂い始めた巨人。嵐を振り払うためにも、まずはFAトリオの奮起に期待したいところだが…。

最終更新:5/11(木) 17:35
東スポWeb