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<田沢湖>「絶滅」クニマスが秋田帰還 山梨から10匹移送

毎日新聞 5/11(木) 11:30配信

 田沢湖(秋田県仙北市)で絶滅したとされ、2010年に約70年ぶりに山梨県の西湖(さいこ)で確認された淡水魚「クニマス」の成魚10匹が10日、北秋田市の県水産振興センター「内水面試験池」に到着した。山梨県から約14時間半かけた「帰県」で、関係者の間には歓迎ムードが広がっている。【山本康介】

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 同市と秋田県は現在、田沢湖の固有種であるクニマスを復活させる「田沢湖再生クニマス里帰りプロジェクト」を進めており、3月末に山梨県と「クニマス貸与に関する覚書」を締結した。

 今回のクニマスは、山梨県水産技術センターが人工授精の後、ふ化に成功。体長15~25センチほどの3歳の成魚で、同県から無期限で貸与された。

 クニマスは同センター忍野(おしの)支所を9日午後5時ごろに出発。二重のビニール袋に1匹ずつ入れられ、さらに発泡スチロールで梱包(こんぽう)される“厳戒態勢”でトラック輸送された。10日午前7時半ごろ、トラックが秋田県水産振興センターに到着すると、職員たちが慎重に専用の水槽まで移していた。

 水槽は、県が約1300万円の予算をかけて設置。直径1・36メートル、水深約70センチの円柱形で、水温は12・5度に保たれている。県水産振興センターの柴田理所長は「輸送中の水温が想定より下がったが、10匹とも元気。健康な状態を保ちながら飼育し、仙北市に渡したい」と意欲を示した。

 搬送に立ち合った仙北市の倉橋典夫副市長は「プロジェクトの本格的な第一歩となった。これを契機に、田沢湖再生に着実に取り組んでいきたい」と感慨深げに語った。

 同市は田沢湖畔に「田沢湖クニマス未来館」を整備中で、6月中旬にも同館に移される見通し。オープンの7月1日以降、一般公開される予定。

最終更新:5/11(木) 11:30

毎日新聞