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<高齢馬>余生支える乗馬クラブ開業 現役馬で飼育代稼ぐ

毎日新聞 5/11(木) 13:48配信

 現役を引退した競走馬や乗用馬が穏やかに余生を過ごすことのできる環境づくりを目指す乗馬クラブ「エクイヴィラ」が、岐阜県土岐市内で、この夏にも本格開業する。高齢馬と若い現役の馬が同居し、現役馬が人を乗せて働くことで高齢馬の飼育代を支えていく。殺処分されることが多い引退馬を支援する新しい形として注目を集めそうだ。【尾崎稔裕】

 準備を進めているのは、名古屋市名東区の芦沢博之さん(48)。今年3月まで、動物とふれあうレジャー施設「愛知牧場」(愛知県日進市)の乗馬指導員として20年間勤務してきた。同牧場が馬の飼育頭数を減らしたことをきっかけに、現役の乗用馬や引退馬を合わせた6頭を有償で譲り受け、土岐市鶴里町細野に約7500平方メートルの土地を借りエクイヴィラの開設に踏み切った。既に営業を始めているが施設は未完成で、経費節減のため自ら馬の世話をしながら、厩舎(きゅうしゃ)や馬場の整備を進めている。

 引退馬が食肉用などに殺処分されることを憂え、馬の余生を支援する乗馬クラブや養老牧場はあるが、多くは馬主に預託料を支払ってもらったり、市民に寄付してもらったりして養う方式だ。寄付を募っている認定NPO法人「引退馬協会」(千葉県香取市)の沼田恭子代表は「高齢馬を引き取り、若い馬の働きで施設を運営しようというケースは聞いたことがない。新しい試みでは」と話す。

 エクイヴィラが現在飼育しているのは馬の寿命に近い24~29歳の高齢3頭と、働き盛りの6~8歳馬4頭の計7頭。来場者は高齢馬を触ったりはできるが、馬に仕事はさせない。預託料による養老馬も受け入れる。人を乗せてリハビリテーションを手伝う「ホースセラピー」など、クラブ運営の柱となるサービスは若手の馬が担う予定だ。

 芦沢さんは「馬は人のパートナー。引退した馬でも充実した余生を送れる乗馬クラブにしたい。まずは大勢の人に見学してもらいたい」と話している。

 見学の申し込みや問い合わせは芦沢さん(電話090・8866・5779)へ。

最終更新:5/11(木) 13:53

毎日新聞