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「日本一の星空」ツアー人気=長野・阿智村に11万人―地域の魅力、危機感から発見

時事通信 5/11(木) 14:24配信

 「日本一の星空」にも選ばれた長野県阿智村で、2012年に始まった星空ナイトツアーが人気を集めている。

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 温泉客の減少に危機感を抱いた地元の人たちが、「当たり前と思っていた」星空に着目。今では人口6600人の村に、4~10月のツアー期間中11万人を集めるまでになった。

 「3、2、1」。標高1400メートルに位置するスキー場「ヘブンスそのはら」。カウントダウンに合わせ照明が消えると、頭上に満天の星が現れ、会場から大きなため息が漏れた。初めて来たという相模原市の会社員神宮寺麻美さん(27)は「普段は見えない星まで見ることができて感動した。星空との距離が近く、地球の外に出た感じだった」と満足そうに話した。

 宇宙への旅をテーマに、会場に向かうゴンドラを宇宙船に見立て、スタッフは宇宙飛行士をイメージした衣装で案内。山頂の約30分のプログラムではガイドがレーザーポインターを使い、その日に見える星座を解説する。

 「星の村」として売り出そうと決めたのは11年秋。観光の柱だった昼神温泉の宿泊客が05年の48万人をピークに2割以上減少し、旅館オーナーらが危機感を持った。地域の魅力を洗い出す中で「きれいなのが当たり前過ぎてノーマークだった」星空にたどり着いた。06年に環境省の調査で「日本一星が輝いて見える場所」に認定されたことも後押しになった。

 観光関係者らでつくる「スタービレッジ阿智誘客促進協議会」事務局長で、ツアーの立ち上げに携わった松下仁さん(39)は、全国の星空鑑賞会やプラネタリウムを視察した。「アカデミック(学術的)な解説は記憶に残っていないが、景色は覚えていた。気軽に星を見てもらえるエンターテインメントに振り切ろう」と方向性を定めた。

 村は14年、民間研究機関から「消滅可能性都市」に挙げられた。松下さんは「日本中に星の村として知ってもらえれば交流人口が増え、地域活性化につながる」と力を込める。来春には、ゆっくり星を鑑賞できる公園を新たにオープンする予定だ。「ツアーをきっかけに星に興味を持ち、また訪れてもらえれば」と期待している。 

最終更新:5/11(木) 16:36

時事通信