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韓国の文在寅大統領「ワシントン、東京、平壌にも行く」 半島和平へ全方位外交も実現は…

産経新聞 5/11(木) 7:55配信

 【ソウル=名村隆寛】韓国の文在寅大統領は10日の就任式で行った演説で、朝鮮半島の安保危機について「早急に解決する。朝鮮半島の平和のために東奔西走する」とまで断言した。

 ◆米朝の「仲介者」狙う

 文氏は「必要なら直ちにワシントンに飛んでいく。北京、東京にも行き、条件が整えば平壌にも行く」と述べ、首脳外交を通して北朝鮮の核問題の解決に努める姿勢を示した。

 また、文氏は米韓同盟を「一層強化する」と強調した上で、韓国に配備された最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の問題については、米国に加え、配備に反発する中国とも真摯(しんし)に話し合っていくとした。また、韓国の自主防衛努力の必要性を強調した。

 演説からは、文氏が米国との関係を重視しており、米韓同盟に基づく朝鮮半島の平和と安定を志向している様子がうかがえる。ただ、文氏がかつて側近を務めた盧武鉉元大統領が、在任当時に試みた朝鮮半島での北朝鮮と米国の「バランサー(仲介者)」を思い出させる発言だ。

 THAAD配備に関して、文氏は選挙戦前から「次の政権(文政権)で協議すべきだ」などと威勢よく語っていたが、投票が近づくにつれ、米韓同盟の重要性に言及し、THAAD問題についても歯切れが悪くなった。

 THAAD配備に反発する中国を説得する意向を示したが、実現は不透明だ。

 ◆朴政権の二の舞いも

 文氏が演説で示した外交姿勢は、いわゆる「全方位外交」で聞こえはいいが、今世紀に入って韓国の歴代政権が主張してきたものと変わらない。それよりも、バランサーを自任し、米中など大国の間を行ったり来たりしただけに終わった朴槿恵前政権の二の舞いに終わる可能性も十分にある。歴代政権が見せてきた韓国外交の姿でもある。

 国論が左右に分裂している国内問題で文氏は、野党などに和解を訴えた。国内での信頼獲得に忙しい文氏だが、国際社会では反米反日、親北親中の印象が定着している。このイメージを払拭し、同盟関係にある日米からまず信頼関係を得られるかどうか。文氏の今後の行動次第だ。

最終更新:5/11(木) 8:00

産経新聞