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<仏大統領選>取材学生が都立高で授業 投票で「EU離脱」

毎日新聞 5/11(木) 19:13配信

 ◇「POTETO」メンバーが都立高島高で

 今月7日に決選投票があった、フランス大統領選を現地で視察してきた大学生が11日、都立高島高校(東京都板橋区)の3年生を相手に、フランスのEU(欧州連合)離脱をテーマとする授業を行った。生徒はグループに分かれ、移民や失業者を演じるゲームを通じてEU離脱か残留かを考え、模擬国民投票も体験した。

 授業を行ったのは、ユーチューブやツイッターなどネットで時事問題を発信する任意団体「POTETO」(ポテト)のメンバー。早稲田大、慶応大などの大学生や院生が昨年12月、結成した。大統領選の視察では、クラウドファンディングで寄付金およそ40万円を集め、メンバー4人が渡仏した。

 この日は「政治・経済」の授業として実施した。POTETOのメンバーは、自身で撮影した候補者集会の動画を見せた後、モノ、資本、サービス、人の移動の自由がEUの基本理念と説明。移民を含めて誰もが同じ社会保障を受けられる一方、失業率が高く、特に若年層は4人に1人が失業している現状を解説した。

 続いて生徒たちは、計5人のグループごとにロールプレーイングゲーム形式の討論に移った。各生徒の役割名は伏せておき、EU離脱派の市民、残留派市民、どちらでもない市民、移民、失業者--の計5役を演じながら話し合った。自分の立場を主張して、賛同者を増やすもので、生徒は「最近はテロリスト呼ばわりされることが多い」「移民がいなくなったら困る人もいると思う」などと訴えた。中にはパリでテロが起こり、容疑者は難民という架空のニュースを紹介する場面もあったが、「一部の人がやっただけで難民全員が悪いわけじゃない」という声が上がった。

 討論後の模擬国民投票では、離脱派が圧勝した。失業者役で離脱に投票した田村光汰朗さん(17)は「フランスは移民を大切にしてきたが、僕たちは失業率やテロの心配に引っ張られた。EUの現実問題をゲーム形式で気軽に学べて面白かった」と振り返った。

 「POTETO」の中央大法学部4年、古野香織さん(21)は「学校の授業では、せっかく現実の問題を考えても教室の中のことで終わってしまう。次の行動につながる主権者教育が必要だと思う。この授業の50分間が政治への疑問や関心を持つきっかけになれば」と話していた。【中村美奈子/統合デジタル取材センター】

最終更新:5/11(木) 22:11

毎日新聞