ここから本文です

KDDI、16年度は増収増益 「UQ mobile」が好調

ITmedia ビジネスオンライン 5/11(木) 19:30配信

 KDDIが5月11日発表した2017年3月期の連結決算は、売上高が前年同期比6.3%増の4兆7483億円、営業利益が9.7%増の9130億円、最終利益が10.5%増の5466億円と増収増益だった。主力の国内通信事業と、決済・通販・金融などライフデザイン事業の好調が、売り上げと利益を押し上げた。

【画像:KDDIの決算内容】

 ただ、MVNO(仮想携帯電話事業者)への顧客流出が続いており、対策として「今期は顧客への還元を進めていく」(田中孝司社長)という。

 国内通信事業を含む「パーソナルセグメント」は、売上高が3.7%増の3兆6330億円、営業利益が8.3%増の7111億円。au契約者数は前年を割り込んだが、サブブランドMVNOの「UQ mobile」などの契約者増でカバーし、端末向け通信サービス全体の契約者数は前年を上回る2602万件に上った。

 ライフデザイン事業を含む「バリューセグメント」は、売上高が66.0%増の4511億円、営業利益が31.3%増の959億円。テレビ通販を手掛けるジュピターショップチャンネルの連結子会社化や、au契約者向けのサポートサービス「auスマートパス」の利用者が増加した影響が大きかった。

 ただ、海外向けのコンシューマー事業など「グローバルセグメント」は、売上高が5.8%減の2772億円、営業利益が24.9%減の24億円と苦戦。円高の影響と、採算の悪い米国でのコンシューマー事業の一部を整理した影響で、売上高が減少したことが響いた。

●今期の方針は?

 今期は、中期目標「ライフデザイン戦略」の最終年として、引き続き国内通信事業、ライフデザイン事業、グローバル事業に注力する。

 国内通信事業では、顧客基盤であるauとMVNO向け契約者数のさらなる増加を図る。ライフデザイン事業では、M&Aによって新たなノウハウを獲得しつつ、IoT(モノのインターネット)関連ビジネスの創出を目指す。グローバル事業では、ミャンマー・モンゴルでのモバイル事業などを推進していく。

 こうした施策で、国内通信事業の持続的成長と新たな成長軸の確立を目指す考えだ。田中社長は「現在、大手キャリア間での顧客の流動がストップし、MVNOの普及が進んでいる。こうした市場動向に対応しながら、中期目標の達成に向けて変革を加速させていきたい」と語った。

 18年3月期通期の業績予想は、売上高が4.2%増の4兆9500億円、営業利益が4.1%増の9500億円、最終利益が3.4%増の5650億円を見込む。

●記者会見での一問一答

 決算会見での主な質疑応答は以下の通り。

――17年3月期の業績と現在の市場動向をどう受け止めているのか。

田中社長: 好決算だと捉えている。市場は、総務省のタスクフォースの影響を受けてMVNOへの顧客流出が加速し、当社もスマホの販売数が3.8%ほど落ちている。対策として、今期は顧客への還元を進めていく予定。料金値下げなどについては、現時点ではコメントを差し控えたい。

――投資面の今後の施策を詳しく教えてほしい。

田中社長: 今期の戦略的投資は、約500億円ほど行う。内訳は、既存顧客の維持に250億円、チャネル改革に150億円、ライフデザイン事業の充実に100億円を予定している。

――決済サービス「au WALLET」事業の評価と今後の展望は?

田中社長: au WALLETは順調に伸びており、業績は非開示だがやや黒字。利用者数はトータルで2080万契約、うちクレジットカードは220万契約で、一定の成果を得たと考えている。今後はインターネット通販(EC)サービスの「Wowma!」とセットで提供していきたい。

──当初、携帯事業でのテザリングオプションは1000円の料金を設けていたが、来年の3月まで無料にした。来期以降の展望はどう考えているのか。

田中社長: 正直、テザリングオプションの料金設定は深く考えていなかった。市場が変化しつつあるので、来年春以降の料金体系は検討させてほしい。

最終更新:5/11(木) 19:30

ITmedia ビジネスオンライン