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キュレーションを“失った”DeNA 「新たな収益の柱」は

ITmedia NEWS 5/11(木) 20:01配信

 「信頼を回復するには、機構やルールだけではダメ。社員全員の意識改革に真剣に取り組んでいきたい」。ディー・エヌ・エー(DeNA)が5月11日に開いた決算説明会で、守安功社長がこう語った。「WELQ」を発端とする一連のキュレーションサイトの不適切な記事掲載問題を受け、失った信頼を取り戻すべく新体制の始動に腰を据える。

【画像:南場会長】

 同社の2016年度通期(16年4月~17年3月)の連結決算は、売上高が前年を1億円上回る1438億円、営業利益は前年を48億円上回る249億円で、増収増益だった。任天堂と協業しているゲーム事業が好調で、スポーツ事業も黒字に転じたことが大きな要因だ。

 一方、新たな収益の柱として期待されたキュレーション事業は頓挫している。昨年11月、医療情報サイト「WELQ」の記事品質に批判が相次いだのを発端に、同社は運営する全キュレーションサイトを非公開に。そのため第4四半期(10~12月期)の売上高はゼロとなり、人件費や第三者委員会への調査依頼のコストがかかり、同期だけで11億9500万円の減損を計上した。

 キュレーション問題を受け、3月には南場智子会長が代表取締役に復帰し、守安社長との2トップ体制に。南場会長は「2トップ体制で意思決定の質を向上させた。しばしば批判されることもある“永久ベンチャー”という考えを正しく理解してもらえるよう、自社のサービスと事業を通して伝えていきたい」とし、ガバナンスを強化していく姿勢をみせた。

 同社は4月20日、小学館と新たなデジタルメディアに関する協業を発表。守安社長は「社員の士気にも関わるので、キュレーション事業の問題を長引かせてはいけないと思っているが、これだけの事案だったので、解決するとしたらかなり自信が持てる状況にならないと難しい。(デジタルメディア事業に取り組むのは)われわれだけでは難しいと感じた」と、その背景を語った。

●新たな収益の柱は――「リアルに近い領域」

 同社は3月の記者会見でキュレーション事業について「再開のめどは白紙」としていたが、5月になった今も再開のめどが立たない状況だ。出鼻をくじかれた形となった同社の「新たな収益の柱」はどうなるのか。

 南場会長は、オートモーティブ、ヘルスケア、スポーツ、横浜市との協業といった既存分野は「それぞれが収益の柱となるよう」引き続き注力していくと明かした。

 「インターネットやAI(人工知能)の分野はチャンスがある。最近は、インターネット内で完結するような数カ月~数年スパンのヒットを見込むのは難しい。オートモーティブやスポーツなど、リアルに近い領域にチャンスが広がっていると思う。長い目で取り組んでいきたい」と守安社長は話す。

 守安社長が標ぼうする新体制は7月1日にスタートを切る予定。5月末をめどに、具体的な仕組みや取り組みについての詳細を公表する。

最終更新:5/11(木) 20:01

ITmedia NEWS