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<日韓首脳電話協議>安倍首相、日韓合意履行を要求

毎日新聞 5/11(木) 20:25配信

 ◇文大統領、再交渉に言及せず「日韓の未来志向が大切だ」

 安倍晋三首相は11日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と電話で25分間協議した。慰安婦問題に関する日韓合意を巡って首相が「国際的に高く評価された合意を責任を持って実施していくことが重要だ」と着実な履行を求めたのに対し、文氏は「韓国国内で慎重な意見がある」と述べた。北朝鮮の核・ミサイル問題では緊密に連携する方針を確認し、早期の首脳会談を目指す考えでも一致した。

 両首脳の電話協議は初めて。首相は「韓国は戦略的な利益を有する重要な隣国。未来志向の日韓関係を築きたい」と指摘。先送りとなっている日中韓首脳会談の早期開催を目指す意向を示し「文大統領を日本にお迎えすることを楽しみにしている」と述べた。文氏は「よい信頼関係を構築するために共に努力したい」と応じた。

 文氏は大統領選中、日韓合意の再交渉を公約に掲げた。首相が合意を含む2国間関係について「適切にマネージ(管理)していきたい」と指摘したのに対し、文氏は再交渉には言及せず、「日韓の未来志向が大切だ。さまざまな課題はあるが、知恵を絞りながらよい2国間関係を築いていこう」と述べた。

 韓国大統領府の説明によると、文氏は協議で合意について「韓国国民の大多数が情緒的に合意を受け入れることができないでいる」と説明。合意で「努力する」とした少女像の移転についても「民間の領域で起きた問題を(韓国)政府が解決するのには限界があり、時間が必要だ」と述べた。また、1993年の慰安婦問題に関する河野洋平官房長官談話や、過去の植民地支配への反省とおわびを表明した95年の村山富市首相談話などを挙げ「内容と精神を継承して、尊重する姿勢が必要だ」と求めた。

 対北朝鮮政策については、文氏の大統領就任で韓国が融和路線に転換するとの見方が強く、日米韓3カ国の連携が課題となる。首相は協議で、北朝鮮への圧力を強める米国の姿勢を評価する姿勢を示し「対話のための対話では意味はなく、非核化に向けた真剣な意志と具体的行動を示すことが重要」と指摘。文氏は「首相の思いと同じだ」と応じた。【遠藤修平、ソウル米村耕一】

 ◇日韓首脳電話協議のポイント

・北朝鮮の核・ミサイル問題で緊密な連携を確認

・首相は日本での日中韓首脳会談の早期開催を呼びかけ。日韓首脳会談の早期開催で合意

・未来志向の日韓関係を目指すことで一致

・首相は慰安婦問題に関する日韓合意の実施が重要と指摘。文大統領は韓国世論の慎重意見に言及

・文氏は歴史問題を「賢く解決していく必要がある」と発言。日韓合意に関する再交渉には触れず

最終更新:5/12(金) 0:52

毎日新聞