ここから本文です

<経常黒字>対米貿易、割合高く 9年ぶり高水準

毎日新聞 5/11(木) 22:03配信

 財務省が11日発表した2016年度の国際収支速報では、経常収支の黒字額が前年度比13.1%増の20兆1990億円となり、リーマン・ショック前の07年度以来9年ぶりの高水準となった。円高の影響もあり、トランプ米大統領が嫌悪感を持つ対米貿易黒字は16年は5年ぶりに減少したものの、依然として経常黒字の高い割合を占めており、米国の赤字削減要求圧力は強まりそうだ。

 16年度の貿易黒字は5兆7654億円で、前年度の17.5倍と大幅に拡大した。原油安や円高進行で、輸出額に比べて輸入額が大幅に減少したことで黒字額が拡大したことが主因だ。他方、同時に発表された16年の対米国の経常収支は12兆7244億円で、貿易黒字は前年比8.7%減少したものの、8兆9139億円を稼ぎ出している。

 特に先月発表された16年度の貿易統計(速報、通関ベース)によると、対米の自動車輸出額は4兆3658億円に上った一方で、米国車の輸入額は932億円にとどまり、日本の自動車輸出が貿易黒字を稼ぎ出すという構造に大きな変化はみられなかった。

 米商務省が4日に発表した3月の貿易収支でも、米国の対日赤字は約9年ぶりの高水準となった。

 これを受け、ロス米商務長官は「米国はこれ以上耐えられない」とする異例の声明を出し、日本とともに米国の貿易赤字に占める割合が高いメキシコに対する赤字削減への強い意欲を示した。

 日本などは、米国を除く11カ国による環太平洋パートナーシップ協定(TPP)発効に向けた協議を進めているが、ロス氏は9日のワシントンでの講演で「(TPP各国との)2国間協議の方がより早く、より良いものになる」と強調。対日貿易赤字が高止まりする中、トランプ政権が2国間交渉を視野に圧力を強めてくる可能性がある。【中島和哉】

最終更新:5/11(木) 22:14

毎日新聞