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松川事件 世界記憶遺産登録を申請

福島民報 5/11(木) 10:35配信

 戦後最大の冤罪(えんざい)事件とされる福島市の松川事件の世界記憶遺産登録を目指している関係団体は10日、日本ユネスコ国内委員会に登録を申請した。同日、同市の福島大で関係団体の代表が会見し、同大松川資料室所蔵の約10万点から厳選した申請資料の概要を説明した。
 資料は脱線転覆した蒸気機関車の写真をはじめ、最高裁まで争った刑事裁判の判決や答弁書、被告の無罪判決の決め手となった「諏訪メモ」など約400点に上る。
 日本ユネスコ国内委員会は夏以降に審査を終え、登録にふさわしい場合はユネスコ本部に推薦する。本部は来年春ごろ、審査の結果を発表する。
 会見には中井勝己福島大学長、今野順夫松川資料ユネスコ世界記憶遺産登録を推進する会共同代表世話人、伊部正之福島大松川資料室運営委員会委員、吉田吉光NPO法人県松川運動記念会事務局長が出席した。
 中井学長は「松川事件を語り継ぐとともに、大学所有の貴重な資料を国内外に発信するきっかけになる」と意義を語った。会見には元被告の阿部市次さん(93)=福島市=も同席した。阿部さんは「(申請資料は)自分たちの闘いの記録でもある。世界記憶遺産に登録されることを強く願う」と語った。
 福島大は松川事件の現場から約2キロの距離に位置し、事件を後世に語り継ごうと昭和59年夏から資料収集を開始した。同63年10月に松川資料室を開設した。

福島民報社

最終更新:5/11(木) 11:52

福島民報