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【BARKS編集部レビュー】muix IX5000が良すぎて、たちが悪い

BARKS 5/15(月) 8:33配信

またすんごいイヤホンと出会うことができたので、紹介したい。市場価格5,980円で販売されているmuix(ミュイクス) IX5000だ。

◆muix IX5000画像

これまで数多くのイヤホン/ヘッドホンを手にしてきたけれど、この価格でこのサウンドは価格破壊…というか、業界殺しというか、極めて規格外。こんな価格でこのサウンド出しちゃ他社はドン引きでしょ…。

muixは、2014年にIX3000という4500円前後のイヤホンを市場に投入し、驚愕の高音質でイヤホンマニアの度肝を抜くという華々しいデビューを飾ったブランドだ。その半年後にはIX3000に続く下位モデルIX1000を発表したのだけれど、これがまた音質は落とさぬどころか低域の量を調整できるコントロール機能まで追加して価格を下げるという謎すぎる進化を遂げ、世のイヤホンマニアも深ーく頭を垂れることとなった。当然のようにIX1000も大ヒット、市場からも最大級の賛辞を受けている。

そんな反則級のサウンド・クオリティで業界を震撼させたIX3000とIX1000という2機種登場から2年、今回発表されたのがmuixにとって第三弾目となるIX5000だ。型番から想像できる通り、デビュー作IX3000の上位機種として開発されたもので、完成まで2年もの年月をかけたという渾身のニューモデルとなっている。

既存の2モデルがブライトでキレのよいキビキビしたサウンドとすれば、IX5000はそのクリアさを保ちながらぐっと濃密なサウンドに仕上がっている。車で言えば排気量が格段に大きくなった、ソフトクリームで言えば乳脂肪分が増えたといった印象だろうか。ずいぶんと余裕ができた印象で、どんな音源が入力されようと、変わらぬクリアさで美しくもパワフルに余力あるサウンドを鳴らしてくれる。なかでも中域の重厚さは素晴らしく、肉厚なトーンのまま各楽器やボーカルが飽和することなくパンチのある音像を作り出してくれる。多くの楽器が積み重なる“音楽の幹”部分だけに、分離しながらも渾然一体となって聴かせてくれるこの表現力こそ、ぜひ注目していただきたいところ。こういった高解像度な再生品質こそハイエンドイヤホンが最も得意とする領域だったんだけど、なんで5,980円でさらっと実現しちゃうんでしょう。muix恐るべし。

個人的には低域の質も大好きだ。ゴムマリが弾むような弾力とエネルギー感のあるサウンドで、低域からも瑞々しさが弾けるような感覚がある。量感は極めて標準的だけれど、低域厨の私にとっても不足感を感じないしっかりとした主張がある。

飛び道具的なギミックもなく、非常にオーソドックスな設計コンセプトをもって、正面切っての高品質正統派サウンドを生み出したのがIX5000の最大の評価ポイントだ。しかも5,980円という驚きの価格でね。ほんとイヤホンサウンドの進化って凄い。超高級素材で作られたゲロカッコいいハウジングに差し替えて「これ10万円っす」って売っても、「さすが10万円の音ですね」と好評価を得るんだろなぁ。

これを手にすると「もうこいつ1本でいいじゃん」という達観したのか自暴自棄なのかわからない妙な心境に陥り、高額を払ってきたあれやこれやのイヤホン群を一掃しちまおうかという毒々しい衝動がにじみ出てきたりもする。この妙な断捨離欲求をモワッと引き出してしまうmuix IX5000、たちの悪い逸品です。

text by BARKS編集長 烏丸哲也

●muix IX5000
希望小売価格:オープン(市場価格5,980円前後)
・ドライバーユニット:10.1mmダイナミック型
・インピーダンス:18Ω
・音圧感度:103±3dB/mW
・最大入力:20mW
・再生周波数帯域:20Hz-20kHz
・付属品、シリコンイヤーピース(S/M/L)、フォームイヤーピース、ハードケース、イヤホンクリップ

最終更新:5/15(月) 8:33

BARKS