ここから本文です

ありふれた日用品、分解して分かる芸術的な美しさ

5/11(木) 7:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

カナダの写真家トッド・マクレラン(Todd McLellan)氏は、「いつも何かが分解されていた家」で育ったと語る。

父親は大工で、テレビの修理も行っていた。母親は電気技術者だったので、家族全員が物を分解したり、元に戻したりしていた。マクレラン氏が、トースター、時計、コーヒーミルなど、日用品の内部構造に魅せられたのも不思議ではない。

現在39歳の彼は、その趣味を制作中の写真作品に生かした。ペッパーミル(コショウ挽き)から古いマックまで分解して部品をきれいに並べ、1枚の写真に収めた。

分解された日用品の世界を見てみよう。

古いテクノロジーを称えるために、この作品シリーズを撮り始めた。

「このボタンを押すと、こっちのレバーが動く。分解してみると、それぞれの部品が中でどう動いているのかよく分かる」と彼はTech Insiderに語った。

最新の技術は面白くないと同氏は語る。「ボタンを押すと回路板に入り、画面上の何かが何かをする。結局、何がどのように起きているかよく分からない」

分解作業には1日半ほどかかる。ウォークマンのような複雑な電子機器の場合、一番難しいのは全てをきれいに並べることだ。

「部品を並べるのに、もう1日~2日かかる」と同氏。類似する部品ごとに集めて並べるからだ。各部品をまとめる作業は時間がかかる。

長年かけて学んだことは、まずデバイスのケースや本体など、一番大きい部品の配置から始めること。

それから、小さなワイヤー、ネジ、ワッシャー、ボルトを並べていく。

一番大きなものはピアノで、分解して並べるまで5日間かかった。

マクレラン氏は、シンプルな製品に隠された複雑さを多くの人に伝えることが、プロジェクトの最大の楽しみだと言う。

「作品を見た人は『こんな部品が中に入っていたとは知らなかった』と言う。皆、中がどうなっているか気にしない。ただ使っているだけ」

お気に入りの作品は日によって変わる。今は最近撮影した古いコーヒーミルだ。

昔のMacには今でも愛着を覚える。

ほとんどの分解作業はスムーズにできたが、手強いものもあった。

例えば、ニンテンドーDSなどのビデオゲーム機は画面が2つあり、それぞれ何層かに分解できる。「構造として、いくつかの長方形の物体がまとまっているだけで、分解すべき中身がない」と彼は語った。

トースターのようなシンプルな物は、使われている部品がより明確。

そして、旧式のタイプライターなどは、工業デザインというよりも、むしろアートと言えるほど複雑だ。

マクレーラン氏の作品「Things Come Apart」は出版され、現在、スミソニアン博物館の移動展覧物の中に収められている。

source:Todd McLellan

[原文:Organizing everyday objects by their thousands of tiny parts looks endlessly satisfying]

(翻訳:梅本了平)