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なぜ法政大は「軍事研究」の禁止をいち早く打ち出したのか

ニュースイッチ 5/11(木) 8:23配信

田中総長に聞く。「他者の自由を奪う武器の研究は存在基盤を揺るがす」

 2017年2月の入試で志願者数が近畿大学に次ぐ全国2位となった法政大学。田中優子総長は同大初の長期ビジョン「HOSEI2030」や、大学憲章「自由を生き抜く実践知」の策定によりベクトルをそろえてきた。軍事研究禁止をいち早く打ち出す一方、キャンパス再編では粘り強い対話で出口を模索する。言語化により学内の意識を共有化する田中優子総長のスタンスを聞いた。

 ―“自由”に対する思いを。
 「本学の役割は、自由とそれを実現するための知性の育成にある。学生は他者とのやりとりを通じ、周囲に振り回されずに自ら考え、自由を獲得して活躍できる能力を身に付けていく。学問の自由も重要だ。政府の助成金などにひかれ、自由を失わないように注意が必要だ」

 ―1月に「軍事研究は行わない」「研究の情報は公開が原則」という方針を打ち出しました。
 「他者の自由を奪う武器などの研究は、本学の存在基盤を揺るがすものだ。憲章の精神にのっとった教育・研究でなくてはならない。一方で、国や産業界の考えを把握するのに有効な助成事業もある。本学の137年の歴史で育まれた基準により、それぞれの性質を見極める」

 ―90年代に急拡大し、15学部を抱えるまでになりました。
 「『スポーツ健康学部』や、全学生を短期留学させる『国際文化学部』は早期の設置で他大学をリードしてきた。今は、ネット環境の高度化や留学促進で教育の質を向上させるのが課題だ。18年度には科目の約半分を講義と議論からなる100分授業に変える。派手で一時的な注目を集めるのではなく、長く信頼され続けることがブランド構築につながる」

 ―長期ビジョンの具体策に、多摩キャンパス(東京都町田市)の市ケ谷キャンパス(同千代田区)への一部移転があります。
 「『総論賛成、各論反対』の案件だが、教員の対立は学生の教育に悪影響を及ぼす。どうすれば最も皆の意欲が出るか考え、自然に効率化の案が出るような状況にしたい。大学は突然の変化が苦手だが、やらなくてはいけないと確信したことを、徹底的に話し合って一つずつ進める」

<略歴>
田中優子(たなか・ゆうこ)74年(昭49)法大文卒。80年院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学、同年第1教養部専任講師。83年助教授、91年教授。12年社会学部長。14年総長。神奈川県出身、65歳。

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最終更新:5/11(木) 8:23

ニュースイッチ