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トヨタがついに決断! マークX、SAIを廃止し、中型セダンを新型カムリに集約する理由

5/11(木) 12:17配信

オートックワン

トヨタがマークXとSAI(サイ)の生産を打ち切り、日本国内での中型セダンは今夏発売予定の新型カムリに集約。

歴代マークIIや新型カムリを写真でチェック(画像24枚)

日本が大型連休真っ只中の5月5日、トヨタの地元となる大手メディアがついに書いた。この話は昨年の中頃から、ネットや個人ブログなどでは噂になっていた。それが今回、連休中の記事露出をまるでトヨタ側が事前に承知していたかのように、中日新聞が書いたことで、三河地域の自動車業界関係者はこの話を“事実”として捉えた。

同記事にもあるように、日本国内市場は軽自動車とミニバンが主流となっており、過去10数年間でセダン市場は急速にしぼんでしまった。

そうした小さな市場に対して“ほぼ日本国内専用車”のガラパゴス車である、マークXやサイを存続させる理由は、トヨタ社内やトヨタグループ内、そして株主や投資家など対外向けにも、特に見つからない。

製造台数と販売台数で世界ワンツーである、中国とアメリカと同じく、日本でも中型セダンをカムリに集約させることは経営戦略上、当然の決断である。

アメリカではすでに、2018年モデルとして発表されている新型カムリは、長年に渡りアメリカ人にとっての“安全パイ”というイメージを刷新し、次世代を強く予感させるアグレッシブな風貌と内装、そして新開発の車体であるTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)による鋭い走りへと大変革した。

さらに、この大変革の中で「これからの日本国内でのセダンをどう育てていくべきか?」という新型カムリ開発者の葛藤を強く感じる。マークIIからマークXへと引き継がれてきたトヨタのクルマ造りの“ド真ん中”を根底からやり直す、というトヨタとしての最大級のチャレンジなのだから。

これまで筆者は、トヨタが主催したマークXのメディア試乗会に何度も参加した。そこでエンジンやサスペンションなど、各方面のエンジニアと意見交換して感じたことがあった。それは、マークIIにおける成功体験だ。

かつて年間20万台級を販売した“トヨタの稼ぎ頭「マークII」”は、大衆車としての顔を持ちながら、最新技術や最新装備を施すという、トヨタのクルマ造りの集大成だった。

「マークXはマークIIの後継車ではない」との広報発表はあるものの、マークIIによる過去の成功体験を語るエンジニアが少なくなかった。その気持ち、筆者はとても良く分かる。なぜならば、高度経済成長期、筆者の横浜の実家には歴代マークIIがあったからだ。

昔のアルバムを開くと、1960年代後半、コロナマークIIと並んで写る筆者がいる。70年代に入り、第二世代のマークIIはヨーロピアン調の洒落たスタイリング。横浜トヨペットの店舗で見たその姿に、筆者の家族全員がほれ込んだ。セールスマンが納車した直後、東急田園都市線の青葉台駅の周辺で家族がテストドライブをした。

いまでは想像もつかなかいが、当時の青葉台は“ド田舎”で、駅前の東急ストアが入る公団住宅が目立つだけだった。駅前は区画整理が終わったばかりで、信号がない教習所のような雰囲気。そこでかなり長い時間、マークIIで走行した。リアシートはかなり狭かったがそんなことは気にならなかった。

当時としては画期的だった、8トラックの大型カセットテープが車載されており、トヨタから贈呈されたカセットに収録されたクラシックミュージックが車内に流れると、超高級なクルマに乗っているような歓びを感じた。

その後、十数年間に渡り、マイナーチェンジとフルモデルチェンジをするたびに、マークIIを買い替えていった。そこにはいつも、ユーザーの心を揺さぶる、新しい発見があった。マークIIとは、そういうクルマだった。

そうした想いがトヨタの開発者の中でも強過ぎたのではないだろうか。マークXという、マークという名称はついていても、マークIIの後継車にはなってはいけないという“迷い”がいつもつきまとっていたと思う。

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最終更新:5/11(木) 14:26
オートックワン

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