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文在寅新大統領は「国内問題を優先」。日韓、米韓関係はどうなる?

ホウドウキョク 5/11(木) 19:10配信

新政権が率先して取り組む課題は外交よりも国内問題

韓国の朴前大統領の罷免に伴う第19代韓国大統領選が9日投開票され、「共に民主党」の文在寅候補が当選した。

文在寅新大統領は予想通り。なぜ彼が選ばれたのかという韓国の事情を考えてみる。

今回の大統領選は、朴槿恵氏が罷免されてから60日を経て行われた。その結果や新政権の行方をめぐっては、国民の朴氏と既存政治への強烈な不信と不満と、罷免を求める大規模な街頭運動、罷免を勝ち取りさらなる刷新を希求‥といった一連の流れを踏まえると分かりやすい。

韓国の国民が求めたのは“政権交代”そして“残念な政治の立て直し”だ。

韓国では2%程度の低成長率が4年連続で続いている。若い人の失業率はほぼ10%、大卒者も職を得られるかと心配な状況で、かつ韓国経済は限られた財閥が牛耳っている。また、中小企業の給与水準は財閥と比べると
半分くらいしかない。格差が広がっている中で、朴槿恵氏の政治と財界の癒着が発覚して、国民の怒りを買い、罷免にまでつながった。

今回の選挙に出た主要な候補者の公約のトップは雇用問題・経済格差の解消だ。
文在寅氏も“雇用100日プラン”というのを掲げ、雇用問題に最優先で取り組むと言っている。

こうした経緯を考慮すれば、新政権にとって率先して取り組んでいかなければいけない課題は、外交よりも国内問題であり、日本との関係よりも有権者との関係と考えるべき。

対日関係は文在寅大統領にとって優先事項とは言い難い。であれば、文氏が大統領に就任して、即座に日本に対して日韓合意の見直し、再交渉を持ち出してくるのではないかというふうに、あまり焦って考えなくてもよいのではないか。新大統領も政権スタート即、日韓関係を脱線コースへと向かわせたくはないはずだ。

日韓関係が“ポイント稼ぎ”に利用される可能性

一つ心配なのは、文在寅氏はもともとバリバリの左翼で、反日的な立場であるという点。そして、韓国の政治は世論に左右され迎合もするので、優先事項であるはずの雇用問題、経済問題などにうまく対応できない時に、対日関係でポイントを得ようとなってしまう可能性が心配だ。慰安婦をめぐる合意の見直し、再交渉カードはそういう時こそ使われやすい。

おそらく日本政府も似たような見方をしていると思う。
韓国側が政府間のチャネルで再交渉を言ってくるなら、断固として突っぱねる。だが、韓国側が動いていないのに日本側から下手につついて藪蛇にならないようにするだろう。当面は新政権の出方を待ち、見極めるのが上策だ。

北朝鮮との対話を持とうというのも気になるが、アメリカだって北朝鮮と対話しようというのだから、対話を模索すること自体は悪くない。

ただ、韓国と北朝鮮の接近が、日米韓の緊密な協力関係を崩してしまうのではないか? アメリカが中国に働きかけ、中国が北朝鮮に対応を迫るという構図で物事を動かそうとしている中、韓国がスタンドプレーを始めると折角の構図がどうなってしまうのか心配だ。

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最終更新:5/11(木) 19:10

ホウドウキョク