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引き継ぎ期間なし、異例の即日就任 韓国・文大統領 「一日も早く」組閣急ぐ考え

西日本新聞 5/11(木) 11:27配信

 9日投開票された韓国大統領選で当選した革新系最大政党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)氏(64)が10日、第19代大統領に就任した。革新政権は約9年ぶり。文氏は就任宣誓後の演説で「必要ならすぐにでもワシントン、北京、東京に行く。条件が整うなら平壌にも行く」と述べ、朝鮮半島の平和に向けて積極的な首脳外交を展開する考えを示した。記者会見では、新首相に知日派の李洛淵(イナギョン)全羅南道知事(64)を起用すると発表した。

 文氏は宣誓後の国民向け演説で「今日から私は国民全ての大統領になる」と国民の団結に努める考えを強調した。記者会見では新首相候補のほか、情報機関の国家情報院長に、過去の南北首脳会談に関与した徐薫(ソフン)元国情院第3次長(62)を指名。大統領府秘書室長に文氏側近の元国会議員任鍾ソク(イムジョンソク)氏(51)を任命した。

 新首相候補の李氏は、韓国の大手新聞社で東京支局長や国際部長を歴任し、国会議員時代には韓日議員連盟幹事長を務めた。旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡って冷え込んだ日韓関係の改善を狙った起用との見方もある。文氏は「一日も早く国政を安定させるため、有能な内閣を速やかにスタートさせなければならない」と述べ、組閣を急ぐ考えを明らかにした。

 首相就任には国会在籍議員(10日時点で299人)の過半数が出席する会議で、出席者の過半数の賛成が必要。文氏を支える民主党は119議席の少数与党のため、他党の協力が不可欠となる。文氏はこの日、保守系旧与党「自由韓国党」幹部と会談。「野党と対話、時には妥協もしながら、国政の同伴者として進む姿勢を持つつもりだ」と述べ、今後の協力を要請した。

 今回の大統領選は朴槿恵(パククネ)前大統領=収賄罪などで起訴=が親友の国政介入事件で3月に罷免されたため、当初予定の12月から大幅に前倒しされた。政治空白を避けるため、文氏は通常2カ月の引き継ぎ期間なしで異例の即日就任となった。

 中央選挙管理委員会は10日朝に大統領選の開票作業を終え、文氏の当選を認定した。任期は5年。最終得票率は文氏が41・08%、自由韓国党の洪準杓(ホンジュンピョ)氏(62)が24・03%、中道「国民の党」の安哲秀(アンチョルス)氏(55)が21・41%だった。

=2017/05/11付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:5/11(木) 11:27

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