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元秘書「印刷物見てない」 県議政活費訴訟 資料作成巡り証言

5/11(木) 17:00配信

カナロコ by 神奈川新聞

 元県議会議長の中村省司県議(72)=鎌倉市=の政務活動費を巡る訴訟の控訴審口頭弁論が10日、東京高裁(河野清孝裁判長)であり、元秘書の中沢克之鎌倉市議が証人として出廷した。中村氏が政活費を使って作成し、戸別配布したとする資料「県政レポート」について、中沢市議は印刷前の原案は「私が作成した」とする一方、印刷物を「一度も目撃していない」と証言し、作成の実態に疑問を投げ掛けた。

 一審に続き、控訴審は県政レポートの作成の有無が焦点になっている。印刷代として計約518万円の政活費を受給した中村氏は、2011~13年度に計11回発行したと主張。印刷を発注した会社からの領収証を県議会にも提出している。

 中沢市議は、この領収証について、いずれも発行日が、パソコンの記録から特定される原案の完成日より1~2カ月も前になっていると不自然な点を指摘。その上で、1回当たり最大で3万5千部印刷したとされる県政レポートを「かなりの量になると思うが、一度も事務所で見たことはない」と述べた。

 一方で印刷会社の社長も証人出廷し、印刷は確実に行ったと証言。中村氏から受け取った印刷代は「私的な収入として処理した。会社の売り上げには入れていないので、納品書などは作っていない」とした。

 訴えは、同市の男性が起こした。中村氏が当時の所属会派・自民党県議団を通じて政活費を不正受給したのに、同県議団へ返還請求をしなかった知事の対応は不当として、違法性の確認を求めている。一審横浜地裁判決は、中村氏が政活費を印刷代以外の使途に充てたと判断し、返還請求を怠った知事の対応を違法と認めた。

 中村氏は政活費を不正にだまし取ったとして詐欺などの疑いで刑事告発されたが、横浜地検は16年11月、不起訴処分とした。