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[社説]「統合と共存」を前面に掲げた文大統領の就任演説

5/11(木) 7:21配信

ハンギョレ新聞

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が10日、当選と同時に第19代大統領に就任した。国会で行われた就任宣誓式で彼は「統合と共存」を就任の第一声とした。就任宣誓式に先立ち野党4党を訪れ、首相などいくつかの主要職人選も発表した。選挙が終わるやいなや直ちに就任したために慌ただしい感はあるが、比較的無難な出発と評価できる。

 文大統領は就任演説で「今、私の頭は統合と共存の新しい世の中を切り拓く青写真でいっぱいだ」として「すべての国民の大統領になる」と述べた。彼は「主要懸案は大統領が直接メディアにブリーフィングし、帰途には市場に立ち寄り市民と隔てなく対話をして、時には光化門(クァンファムン)広場で大討論会を開く」とも話した。朴槿恵(パク・クネ)政権で極限に達した「不通大統領」の姿を思えば、たとえ言葉だけでもうれしい。過不足なく疎通する大統領の姿をまともに見せることを期待する。

 選挙の時の約束どおり、野党4党の指導部に最初に会ったことも鼓舞的だ。彼はその席で「野党と国政のパートナーとして共にする姿勢で仕事をする」とし「安保に関する重要な情報を共有する」と話した。野党は選挙敗北で内心穏やかではないが、そういう時であるほど大統領と与党が先に手を差し伸べなければならない。そうした点で共に民主党のソン・ヨンギル選対本部長が、国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補に対して「政界引退」云々したことはきわめて不適切だった。野党と支持者に対する礼儀に欠ける。

 朝鮮半島危機と関連して「必要ならば直ちにワシントンに飛んで行く。北京と東京にも行き、条件が揃えば平壌(ピョンヤン)にも行く」と述べたことは、現状況を打開するための積極外交の始動と見える。就任早々すべての資源を動員して4強外交を本来の姿に持ってきておくことが必要だ。南北首脳会談については忍耐心を持って、条件の造成にまず注力しなければならないだろう。

 文大統領は経済と関連しては「何よりも先に働き口を作る」とし「同時に財閥改革にも先頭に立つ」と話した。彼はまた「政経癒着という単語を完全になくす」としながら「差別のない世の中を作る」と強調した。働き口と非正規職の問題、財閥改革は「公正な社会」を作るための最優先課題だが、歴代政府がずっと取り組んできた難しい課題でもある。急がずに一つでもまともにやり遂げることが重要だ。

 文大統領は「不幸な大統領の歴史を終息させなければならない」と話した。また「権威的な大統領文化を清算する。準備を終え次第、大統領府から出て光化門大統領時代を開く」と述べた。帝王的大統領制の弊害を是正し、任期末に不幸にならないという確約だ。国民の前でした確約が必ず実現されることを願う。そのためには「疎通と統合」のためのいろいろな制度的・文化的装置をよく設計し、絶えず点検していくことが必要だ。

最終更新:5/11(木) 7:21
ハンギョレ新聞