ここから本文です

『メタルギア』シリーズのゲーム・クリエイター小島秀夫、『LOGAN/ローガン』を語る

5/11(木) 21:00配信

RO69(アールオーロック)

世界的な大ヒット作品となったゲームソフト『メタルギア』のゲームプランナーで、現在はプレイステーション4用に開発している『デス・ストランディング』が世界的に注目されている小島秀夫だが、日本公開を6月1日に控える『LOGAN/ローガン』についてのエッセイを米「ローリング・ストーン」誌のゲーム専門サイト「glixel」に寄稿している。

小島秀夫は、映画やポップカルチャーに関する自身の考察をまとめたエッセイを「glixel」にて連載しており、先月はすでに日本公開されている『ゴースト・イン・ザ・シェル』をテーマにしたエッセイが掲載されたとのこと。

今回のエッセイでは、そもそも映画というものがある時期から単体の作品として成立しなくなっているということを指摘、特に人気の高い作品については作品が常にシリーズ化され、今回の『LOGAN/ローガン』にしても『X-MEN』シリーズの10作目であることに触れている。

『LOGAN/ローガン』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=Vuh8n7AbT_o

こうしたシリーズ化された作品では、キャラクターが無限ループに捉われることになり、物語を持続していくためにはオリジナルとなっているもともとの物語設定に破綻を招いてしまうことが多いとも指摘し、結果的に1本の映画は大きな物語のブロックのひとつでしかなくならざるをえなくなると説明。

つまり、映画1本は少年ジャンプに掲載されている連載漫画の1話分や、ドラマ・シリーズの『ウォーキング・デッド』の1エピソード分のようなものに過ぎなくなってしまうと指摘している。

しかしこうした映画の環境に囲まれてはいるものの、『LOGAN/ローガン』はより大きな物語の一部でありつつもそこから独立した物語としても完結、しかもエンディングの見えなかったローガンの物語をしっかり終わらせてみせているという意味で、素晴らしい作品に仕上がっていると評している。

特に小島が評価しているのは、特殊能力を備えたローガンでさえ老化に逆らえず、人生の終局を迎え始めているという設定で、実はこうした設定は小島自身も『メタルギアソリッド4』で導入したものだったということに触れている。

『メタルギアソリッド4』では登場キャラクターのソリッド・スネークの身体が急速に老化し、オールド・スネークと名乗るようになっていた。

しかし小島が『メタルギアソリッド4』を終わらせつつも、このシリーズ全体を終わらせたわけではなかったように、『LOGAN/ローガン』でも、ローガンことウルヴァリンの物語が終わりを告げつつも『X-MEN』シリーズの世界が終わったわけではないとしている。

ただ、終わることのないように思えたローガンの物語が終焉することによって初めて、観る者に生と死を意識させることができているという。

また、ローガンことウルヴァリン像の変貌については、スパイダーマンやバットマンにも共通するスーパーヒーロー像の変化だとしていて、2001年の同時多発テロ事件によってアメリカの正義の性格が変わったことを反映したものだとも指摘している。

RO69(アールオーロック)