ここから本文です

東電:19年度から原発稼働で経常益2000億円確保-10年間の新再建計画

Bloomberg 5/11(木) 19:59配信

東京電力ホールディングスは11日、2019年度から柏崎刈羽原子力発電所を再稼働することで2000億円規模の経常利益を確保する再建計画を発表した。福島第一原子力発電所事故の賠償や廃炉に関わる費用が従来想定から倍増したことで3年ぶりに同計画を改定。今後10年間で再稼働や事業再編による経営改革を進め、27年度以降には4500億円規模の利益水準を目指す。

原発事故以降に国有化された東電HDは同日、政府に再建計画「新々総合特別事業計画」を申請。柏崎刈羽原発7基を19年度から順次再稼働した場合、17年度から10年間の経常利益(東電HDと主要子会社3社の合算値)は1500億-2000億円超を確保する見通し。これには廃炉や賠償に関わる年5000億円の支払いを織り込んでおり、20年度以降に再稼働がずれ込むと利益が大きく落ち込む。

昨年来、政府は有識者会合を通じて、21.5兆円に倍増した原発事故処理を巡る費用負担の在り方を検討。その中で、東電HDは廃炉費8兆円と賠償費の3.9兆円分の負担を求められ、3年ぶりに再建計画の改定に踏み切った。これにより原発の再稼働や事業再編を通じて、30年にわたり年5000億円ずつ資金を捻出する道筋を付けた。同計画は、政府の認定を受けて確定する。

同日会見した東電HDの広瀬直己社長は、賠償や廃炉などに莫大(ばくだい)な資金の捻出が必要となる中で、「柏崎刈羽原発が果たすインパクトは非常に大きく、経営として再稼働を期待したい」と述べた。再稼働が遅れても廃炉や賠償にかかる費用は確実に捻出することを強調した一方、東電HDの経営再建や脱国有化により時間がかかるとの見方を示した。

19年度末に国関与再検討

ただし、柏崎刈羽原発の再稼働を巡っては立地自治体の同意が必要となる。新潟県の米山隆一知事は11日の記者会見で、「事業者が再稼働を織り込んだ計画を立てるのは当然のロジックだが、きちんと検証しなければ再稼働は認められないという考えに変わりはない」と述べ、原発事故の原因、健康への影響、避難計画の3つの再検証が必要との考えを繰り返した。同氏は、検証が終わるのは早くとも19年度以降になるとの見通しを示している。

1/2ページ

最終更新:5/11(木) 19:59

Bloomberg