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VIXの歴史的低下、背景にSNS普及あり-マーク・モビアス氏

Bloomberg 5/11(木) 0:00配信

テンプルトン・エマージング・マーケッツ・グループのマーク・モビアス執行会長は、株式市場のボラティリティ指数が歴史的な低水準となっていることについて、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及が要因とみている。

モビアス氏は10日、東京で行われたブルームバーグ・ニュースのインタビューで、「昨今起きている事柄の一つに、ソーシャル・メディアが大きな影響力を発揮していることがある」と指摘。「虚偽のニュースが流され、人々は混乱している」とし、多くの情報は「今やただちに無視されるような状態にある。人々は、入手した情報が嘘のものであることを懸念している」と語った。

米国株下落に備えた保険料の指標となるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は8日、9.77と1993年以来の低水準を付けた。7日実施のフランス大統領選の決戦投票で、グローバル化を支持するマクロン前経済・産業・デジタル相が勝利し、投資家のリスク回避姿勢が和らいだ。10日のVIX指数は10.2へ上昇したものの、なお93年以来の低水準付近にある。

モビアス氏は、自身の見解を裏付ける例として、フランス大統領選での出来事に言及。マクロン候補がサイバー攻撃を受けたというニュースが出てきたが、「すぐに有権者から無視されることになった」と言う。

また、米国のトランプ大統領は9日、連邦捜査局(FBI)のコミー長官を解任した。FBIは、昨年の米大統領選でロシアが干渉した可能性について捜査を進めている。モビアス氏は、「トランプ大統領に関してはあまりに各方面で論争が起きているため、これは変化の歴史の1ページに過ぎない」とみており、解任による影響が限定的だったアジア株市場に続き、「米国株への影響はないだろう。この件による経済的なインパクトはない」との見方を示した。

80歳のモビアス氏はツイッターのアカウントを保有しているものの、自ら管理はしていない。ヘッジファンドはSNSにおける情報の質の分析に費用を掛けることが可能な半面、一般投資家のほとんどはそれができず、ニュースを受け止め切れない傾向があるという。

同氏は「皮肉なことに、情報が増えることが市場に静けさをもたらしている」とし、混乱するような情報が氾濫する中、「何が正しくて何が間違っているのか分からない状態になると、人は『もう何もしない』という態度になっていく」と話した。

3段落に10日のVIXの動きを追記.

Toshiro Hasegawa, Tom Redmond, Yuko Takeo

最終更新:5/11(木) 12:43

Bloomberg