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英中銀、利上げ先送り理由は増えるばかり-EU離脱で「紆余曲折」

Bloomberg 5/11(木) 13:38配信

イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は3カ月前、英国の成長やインフレの予測を上方修正したものの、経済に新たなたるみを発見した。これで金融政策においてハト派スタンスを維持する余地が増えた。

11日発表予定の最新の四半期物価報告では、総裁は慎重姿勢を続ける具体的な理由として、1-3月の英経済成長率の鈍化や、物価上昇による消費圧迫などを挙げることが可能だ。政策当局者の一部はインフレに警鐘を鳴らし始めているが、英国の欧州連合(EU)離脱や6月に迫る総選挙に伴う下振れリスクは英中銀に利上げを急がせない十分な理由になりそうだ。

家計はポンド安による物価上昇で財布のひもを締めつつあり、小売売上高は減少。貯蓄は既に減っているため、実質所得が減少し始める中で消費者が頼れるものはあまり多くない。

その上、英国のEU離脱交渉の厳しいスタートは消費者や企業の信頼感を損ないかねず、内需にさらなる悪影響を及ぼす恐れがある。カーニー総裁自身も2月にEU離脱の道のりで「紆余曲折はあるだろう」と述べ、リスクを強調していた。メイ英首相が意表を突く形で6月8日の総選挙実施を決めたこともそうしたリスクの1つだった。

英金融政策委員会(MPC)元委員のスシル・ワドワニ氏は今週、ロンドンで開かれたイベントで、「消費や投資のブームが期待される環境ではない」と述べ、「英国のEU離脱や離脱交渉の行方を巡って不透明感がこれほど高まっているだけに、成り行きを見守るというのが最も心引かれる道筋だろう」と指摘した。

インフレは予想より加速しているが、英中銀にとっての問題はこれが中期的見通しにどんな意味を持つかだ。ポンドは現在下げ止まっており、貿易加重ベースで実際のところ今年これまでは値上がりしている。

エコノミストの間ではこうした変動部分を加味し、2018年半ばまでは少なくとも政策を据え置くと予想されている。ブルームバーグ・インテリジェンスのエコノミスト、ダン・ハンソン、ジェイミー・マレー両氏は、英国が正式にEUを離脱した後となる19年までは利上げ開始はないとの見通しを示している。

原題:BOE’s Reasons to Delay Rate Hike Multiply With Brexit’s ’Twists’(抜粋)

Fergal O'Brien

最終更新:5/11(木) 13:38

Bloomberg