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比嘉、王者・エルナンデスにビビった「あんな人初めて…」

スポーツ報知 5/12(金) 6:06配信

◆報知新聞社後援 プロボクシングトリプル世界戦 ▽WBC世界フライ級タイトルマッチ 王者・ファン・エルナンデス―同級1位・比嘉大吾(20日、東京・有明コロシアム)

 前東洋太平洋フライ級王者で、WBC同級1位の比嘉大吾(21)=白井・具志堅スポーツ=が、陣営の具志堅用高会長(61)と同じ21歳での王座奪取を宣言した。11日、都内のジムでトリプル世界戦(報知新聞社後援)に向けた練習を公開。世界初挑戦で「会長と同じ年に取れれば」と意欲を見せ、具志堅会長も沖縄出身では25年ぶりの王者誕生に太鼓判を押した。

 比嘉の“琉球魂”は熱く燃えたぎっていた。中学時代、テレビで見た姿に憧れ、背中を追いかけた具志堅会長と同じ21歳での世界初挑戦まで、あと8日。普段は人混みや密室が苦手で、満員電車で気分が悪くなることもあるが、この日は大勢の報道陣に囲まれても笑みが絶えず「調子がいい証拠。会長と同じ年に取れればうれしい。世界を取ります」と力強かった。

 尊敬する具志堅会長もほれ込む逸材だ。高校で目立った実績はなかったが、小学校から中学まで野球部で内野の全ポジションを守り、白球を追って養った身体能力や反射神経、下半身の柔軟性に可能性を見いだし、スカウトした。浦添市出身だが、ボクシングを始めたのは宮古工高。同じ離島(石垣)出身の具志堅会長は「宮古島で育ったのも良かった。勇気、スタミナ。チャンピオンになる力を持っている」と通じるものを感じていた。

 相手の王者・エルナンデス対策にも余念がない。独特のスタイルを持つメキシカンとの対戦は初めてだが、それ以上に警戒するのが「あんなに怖い顔の人は初めて」。動画で見た鋭いまなざしに震え上がったが「急に会って怖かったら嫌。顔だけでも慣れておこう」と毎日相手の動画をチェックし、耐性を高めている。

 8月9日に誕生日を迎えるため、21歳で世界王者になるには事実上のラストチャンスだ。ジャンクフードが大好きだが、最近は自炊を始め、会長の食事の誘いも断ってお手製のスムージーを飲むなど、高い意識で減量もあと3キロ程度と順調。練習中にエアロバイクに乗り「エルナンデス・モード!」と叫んで宿敵の顔を思い浮かべると、闘志が高ぶり、心拍数が170を超えて全身から滝のような汗が流れ出た。

 ジム初、沖縄出身では25年ぶりの世界王者へ。「実績がなかった自分を取って、プロで挑戦させてもらった会長に恩返しがしたい。沖縄がボクシング王国だったときのように盛り上げます」。12戦全KO勝利中の自らの拳で、恩人の夢をかなえてみせる。(林 直史)

 ◆比嘉 大吾(ひが・だいご)1995年8月9日、沖縄・浦添市生まれ。21歳。沖縄・宮古工高でボクシングを始める。アマチュア戦績は36勝(8KO)8敗。2014年6月にプロデビュー。15年7月に敵地タイでWBC世界ユース・フライ級王者を獲得(2度防衛後返上)。16年7月には東洋太平洋同級王者を奪取(1度防衛後返上)。現在、12戦全KO勝利のパーフェクトレコードを更新中の右ファイター。

最終更新:5/12(金) 6:06

スポーツ報知