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オスカー候補作『Hidden Figures』の日本公開が9月に決定 しかし邦題に疑問の声も

bmr.jp 5/12(金) 12:10配信

オスカー候補作『Hidden Figures』の日本公開が9月に決定 しかし邦題に疑問の声も

オスカー候補作『Hidden Figures』の日本公開が9月に決定 しかし邦題に疑問の声も

人種差別法が存在した1960年代初頭のアメリカを舞台に、宇宙開発競争に貢献した実在の黒人女性たちを描き、評判を呼んでいる映画で、今年の第89回アカデミー賞で作品賞、脚色賞など3部門の候補になった『Hidden Figures』が、『ドリーム 私たちのアポロ計画』というタイトルで9月に日本公開されることが発表された。

『Hidden Figures』は、1950年代末から60年代の宇宙開発競争において、アフリカ系の血も引く女性数学者キャサリン・ジョンソンら、アメリカ初の有人宇宙飛行に成功したマーキュリー計画などに貢献した実在の黒人女性3人を中心に描いた同名のノンフィクション小説を元にした映画。人種差別法であるジム・クロウ法が存在した時代において、NASA(アメリカ航空宇宙局)でこうした黒人女性たちが活躍したことはあまり知られた話ではなかったこともあり、その演技や脚本と共に大きな反響を呼び、アメリカで昨年末に一部劇場で限定的に先行公開され、年明けに拡大上映されると、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を抑えて全米映画興行ランキング1位となった。第89回アカデミー賞では作品賞、脚色賞、助演女優賞の3部門でノミネートを受け、北米での興行成績は今月上旬までで1億6900万ドル(およそ192億円)を突破し、『ラ・ラ・ランド』を上回る成功を記録している。

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、『Empire 成功の代償』でゴールデングローブ賞の主演女優賞(TVシリーズ部門)に輝いた女優タラジ・P・ヘンソンが幼い頃から数学の神童と謳われたキャサリン・ジョンソンを演じ、NASAのスーパーバイザーを務めた(劇中では却下されている)ドロシー・ヴォ―ンを『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』でアカデミー賞やゴールデングローブ賞の助演女優賞を授賞したオクテイヴィア・スペンサーが、そして工学エンジニアのメアリー・ジャクソンを『ムーンライト』での演技も好評だった歌手のジャネル・モネイが演じる。差別や偏見と闘いながらも、彼女たち3人の活躍を前向きに描いたこの『Hidden Figures』だが、ついに日本での上映が決定。『ドリーム 私たちのアポロ計画』というタイトルで、9月からTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開となることが発表された。

アカデミー賞の作品賞候補作の中でも、デンゼル・ワシントン主演作『Fences』などと共に日本での上映がなかなか発表されなかったこともあり、日本での公開決定には喜びの声があがったが、一方でこの邦題に対し、疑問の声も多い。「hidden」=「隠れた・隠された」、「figures」=「数学・人物たち」というタイトルは、男性中心の当時のNASAにおいて女性数学者が知られざる貢献をしていたという意味や、「有色コンピューター」ともあだ名された彼女たちが他とは隔離された「見えない」場所での勤務を求められていた人種差別的な背景などもそのタイトルに込められている。しかしこの邦題については特に、「私たちのアポロ計画」という部分について、不適切だと指摘する声が多い。というのも劇中では、キャサリン・ジョンソンが後に史上初の有人月面着陸に成功したアポロ11号において軌道計算をした功績についても最後に触れられるものの、話の中心はアポロ計画ではなく、その前身にあったマーキュリー計画についてのストーリーだからだ。そのため、「アポロ計画ではなくてマーキュリー計画では?」という意見が多く上がっている。

なお、この映画は、2014年に“Happy”が世界的ヒットとなった世界的ヒットメイカーのファレル・ウィリアムスも製作プロデューサーに加わっており、アリシア・キーズ、メアリー・J.ブライジにジャネル・モネイらも参加したファレル全面プロデュースのサウンドトラック『Hidden Figures: The Album』も評判となっている。

最終更新:5/12(金) 12:10

bmr.jp