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あれって、AIですよね?~「バビル2世」のコンピュータを、2017年のテクノロジーで解説しよう――テクノロジー名作解説

5/12(金) 7:10配信

@IT

 「バビル2世」は、1971~1973年に秋田書店の「週刊少年チャンピオン」に連載されていた、超能力者(エスパー)であり外星人の子孫の少年「バビル2世(浩一)」を主人公とした、横山光輝先生のSF漫画だ。

【バベルの塔のコンピュータ(【公式】バビル2世 第1話「五千年前からの使者」から引用)、他その他の画像】

 まずは、テレビアニメ版の主題歌を見ていただこう。歌詞が思い浮かべられるあなたは、現役視聴世代とお見受けする。

動画→ http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1705/10/news009.html

 第2コーラスの始まりで、「コンピューター」という単語が出て来る。とても賢くて頼りになる、昭和時代のテクノロジーに対するイメージをほうふつとさせる“コンピュータ”だ。バビル2世は、このコンピュータが稼働する「バベルの塔(※)」や、ロデム、ポセイドン、ロプロスという「3つのしもべ」と共に、自分と同じ外星人の血を引く「ヨミ」と戦う。

 本稿は、バベルの塔を守るコンピュータの技術を、2017年の技術になぞらえて考察していく。

 なお、原作は通信の多くを「無電」と呼んだり、録画が「フィルム」、喋るのが「テープ」、コンピュータからの出力が「紙テープ」だったりしているが、本稿ではそれらはあえて触れない。当時の横山先生は、現代の記録メディアの進歩を知る由もないからだ。

 また、SF漫画ならではの実現されていない科学技術も多数登場する。外星圏からの宇宙船、人体改造、さまざまな戦闘ロボット、レーザー兵器、記憶を消す装置、光点滅で催眠術をかける……など。それらは本記事の着目点ではないので、別の専門家に任せることにする。

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・バベルの塔
旧約聖書に出てくる建物。ヨース・デ・モンペルの絵画が有名。2017年4~10月、東京と大阪で、ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展が開催されている。
後の漫画、劇場版アニメ「機動警察パトレイバー2」の「エホバくだりて、かの人々の建つる街と塔を見たまえり。いざ我らくだり、かしこにて彼らの言葉を乱し、互いに言葉を通ずることを得ざらしめん。ゆえにその名は、バベルと呼ばる」という暗号信号の一節にも登場する。
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●当時のNASAのコンピュータ

 まず、バベルの塔を守るコンピュータのハードウェアの性能を考察してみよう。

 基準となるのは、昭和48(1974)年2月10日発売の秋田書店版「バビル2世」6巻196ページの、「アメリカ宇宙局(※)のコンピュータの百億倍(※)の働きをする」というせりふだ(※)。

 NASAは長い間IBMの大手顧客である。もちろん研究所ではスパコンも使っていただろうし、TCPの研究を進めていたDARPA(アメリカ国防高等研究計画局)なども先進的だったので、何を「アメリカ宇宙局のコンピュータ」とするかは難しい議論ではあるが、多くの処理システムはメインフレーム汎用機だったはずだ。

 漫画を連載していた1971~1973年は、オラクルもマイクロソフトもGoogleもAmazonも存在しない時代である。当時の出来事を書き出してみる。

1964年4月7日 IBM System/360発表(世界初の汎用コンピュータ)
1964年10月10日 東京オリンピック(集計にSystem/360が使われた)
1968年4月6日 映画「2001年宇宙の旅」公開
1969年7月20日 アポロ11号イーグル月面着陸成功
1970年 アムダール社設立、IBM System/370発表
1971~1973年 バビル2世連載
1975年 アムダールAmdahl 470/6発表

 NASAではアムダール製品も使われていたと聞くが、1971~1973年にはまだ発売されていないことを考えると、バビル2世が執筆されていたころは「IBM System/370」が使われていたと想定してよいだろう。

 私がIBMに入社後、ソフトウェア保守技術員として最初に担当したシステムは、System/370の後期製品群である「4300」「3080」「3090」「9370」ファミリーだった。何とも感慨深い。

 幸いなことに手元に「コンピューター発達史―IBMを中心にして―」(昭和63年10月発行)という日本IBM50周年の社内誌があるので、この本のデータを参考にする。ここでは年代的に「IBM System/370 model 158」をベースに考える。

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・アメリカ宇宙局
アメリカ航空宇宙局(NASA)のことか?

・百億倍
100億倍とは、1000×1000×1000×10である。
コンピュータの世界では、数の大きさを1024の乗数でキロ、メガ、ギガ、テラ、ペタ、エクサ、ゼタ、ヨタ……と呼ぶ。これを3つ上に桁上げ(1024×1024×1024)すれば、だいたい100億倍となる。
基数が少し違うので誤差が出る。コンピュータの世界では何でも2進数で数えるが、横山先生が10進数で書いてしまったので、そのへんはご勘弁いただきたい。

・アメリカ宇宙局のコンピュータの百億倍
当時のスパコンを引き合いに出したブログを書かれている方もおられるが、本稿では別の視点で考える。
参考:バベルの塔のコンピュータの性能はどのぐらい?(たどブログ)
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●メモリ:バベルの塔のコンピュータvs.IBM Watson

 では、早速ハードウェアの能力を見ていこう。

 まずアドレス空間。アドレス空間とは、コンピュータ処理時にアクセスできる最大のメモリ(※)の広さの限界だ。System/370初期時代は24bitプロセッサである。

 24bitでのアドレス空間は16MB(1670万バイト)だ。これを単純に100億倍すると「16P(ペタ)B」となる。

 メモリとその制御装置はいつの時代でも高価だが、腐ってもNASA(失礼!)であれば、最大量積んでいてもおかしくない。なので当時のNASAのコンピュータは「16MBのメモリを搭載していた」と考えてもまぁよいだろう。

 すると、バベルの塔のコンピュータは、16PBのメモリを搭載したシステムということになる。

 2017年現在のコンピュータの主流は64bitである。64bitCPUのアドレス空間のアクセス限界は18.44E(エクサ)B、24bitCPUから比較して40bit増えているため、System/370のおよそ1兆倍である(2の40乗は1.0995116×1012)。

 米国のクイズ番組「Jeopardy!」に挑戦した「IBM Watson」は、POWER 750プロセッサを90ノード搭載し、16TBのメモリを運用していたといわれている。これでおよそ100万倍だ。そのさらに1万倍、100万ノードくらい動かすと「アメリカ宇宙局のコンピュータの百億倍」に近づく数字となる。2017年現在では、大手クラウドサービス用のシステムがこれに近い。

○メモリの能力

・アーキテクチャ能力的には、2017年現在の一般的な64bitシステムは、System/370のおよそ1兆倍の能力がある
・実際に「アメリカ宇宙局のコンピュータの100億倍」程度のメモリを運用しているのはクラウドシステム

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・メモリ
当時、メインフレームでは「ストレージ」または「コア」と呼んでいた。
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●処理速度:バベルの塔のコンピュータvs.神威・太湖之光

 次に、処理速度を見ていく。

 System/370は、CISCコンピュータ(※)である。

 バビル2世連載当時のコンピュータは、汎用機だけでなく専用機やスパコンのようなものもあった。逆に、最近流行の「AI(人工知能)」の技術である「機械学習(Machine Learning)」や「深層学習(Deep Learning)」はベクトル計算や行列計算であり、浮動小数点計算を大量に行う。そのため、それを得意とした「画像処理専用チップGPU(Graphical Processing Unit)」を活用することも多くあり、比較がとても難しい。

 前出の「コンピューター発達史」によれば、「IBM System/370 model 135のCPU速度は、(演算種類によって変動するが)処理サイクルが275~1485ナノセカンド」と書いてある。非常に問題のある考え方ではあるが、中央値をとって「605」と考えると、0.000 000 605秒なので、「1.65MIPS(Million Instructions Per Second)」と計算できる。これを単純に100億倍すると「16.5PIPS(Peta -)」となる(この計算は10進数)。

 現代のコンピュータの処理速度の計算は、RISCに使われる「FLOPS(Floating-point Operations Per Second)」にした方が良い。残念ながらこれの換算は処理内容やCPUのアーキテクチャによって変化するので単純にはできない。

 しかし、2016年11月に行われた「スパコンのランキングTOP500」によると、トップの「神威・太湖之光」(中国)は、ピークで「125.436 PFLOPS(Peta FLOPS)」をマークしている。あきらかに100億倍を超えていると推定できる。

○処理速度

・2017年現在のスパコンの処理速度は、当時の「System/370 model 158」の100億倍を超えている

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・CISCコンピュータ
命令の種類。命令種類が少なく速度の速いCPUを「RISC(リスク)と呼び、複雑な命令を持つCPUを「CISC(シスク)と呼ぶ。ちなみに、今とても多く使われているインテルx86系CPUはCISCで、UNIX専用機(IBM POWERなど)はRISCだ。
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●ストレージ:バベルの塔のコンピュータvs.一般的なストレージ

 次は、ストレージについて見ていく。

 前出でメモリのことをメインフレームではストレージと呼んでいたと書いたが、ここでは外部記憶装置のことを意味することとする。1970年代当時の外部記憶装置には紙テープ、紙カードがたくさん使われていたので比較が難しいが、現代の「HDD(ハードディスクドライブ)」や「SSD(ソリッドステートドライブ)」に当たるダイレクトアクセス型の外部記憶と検討してみよう。

 1974年の直前に発表されているIBMのディスク装置は、1973年の「IBM 3340」で、2ディスクで1セット当たり「70MB」であった。そのまま単純に10億倍すると、「70PB」だ。

 1PBストレージが500万円くらいで手に入る時代になったので、バベルの塔のコンピュータのストレージは、3~4億円程度の規模といえる。

○ストレージ

・2017年現在、70PB程度の記憶装置は数億円で購入できる

●ソフトウェア:あれって、AIだと思うんですよ

 AIっぽい技術について考えてみよう。

 バベルの塔のコンピュータには、以下のような特徴がある。


1. 別の惑星から来た宇宙船の部品を流用して作った
2. 5000年稼働している
3. さまざまなセンサー、カメラなどから情報を収集する
4. 人間の言葉で対話する
5. 収集した情報を解析してさまざまな状況を理解する
6. 論理的にものを考える
7. 行動を起こす(武器を使うなど)
8. 自分で自分を修復する

 最初の2つはSFならではの設定なので、ここでは割愛する。3つ目以降の特徴が2017年のコンピュータでどこまで実現できているか/できそうか、考えていこう。

●センサー、カメラによる情報収集

 バベルの塔のコンピュータには、非常にたくさんのセンサーやカメラが登場する。漫画を読み進めると、塔の周囲や内部にはたくさんあるが、それ以外の場所や地域にはないようである。

 3つのしもべの「ロプロス」や「ポセイドン」は、ロボットなのでカメラを持っている。しかし、それらは塔とは接続されていないようだ。1巻148ページでバビル2世がロプロスに命令した「ここをよく記憶しておくんだ。塔に帰ってコンピュータにかけよう」というせりふから分かる。

 ネットワーク技術に関しては、当時の予想より、2017年の携帯電話ネットワークとインターネットの方が進んでいる。この現象は、昭和時代のSF漫画やドラマにはよくあることだ。

 昭和時代、とても進化した通信は、腕に巻いたりする「特殊な装置」で実現すると考えられていた。しかし、現代人の間では「通信衛星」「山やビルにあるアンテナ」の整備数がそれを支えていることが広く知られている。実際に重要なのはデバイスではなくインフラだ。

 先の撮影データを解析した塔のコンピュータは、153ページで「人体改造を研究していた」という結論を出す。これは「画像処理」である。2017年のAI技術でも似たことができるかもしれない。

 過去10年、画像処理技術、とりわけ「分類技術」は急激に精度が上がった。画像認識技術は分類技術を活用しているものが多く、一緒のくくりに入れても大きな間違いではないだろう。

 分類技術とは、言い換えると「グループ分け技術」だ。例えば、「猫の写真100枚、犬の写真100枚、象の写真100枚を入力したとき、きちんと3グループに分けられるかどうか」という技術である。

 この分類技術を向上させるのに役立ったのが「機械学習」だ。

 旧来の識別技術や分類技術では、プログラマーが「こういう特徴があったら猫、こういう特徴があったら犬」とデータをセットしていた。このような特徴を表すデータを「特徴量」という。そのとき利用された特徴が一致すれば見つけられるが、猫にはバリエーションがたくさんあり、その特徴をいちいち全部入力しているとキリがない。この「キリがない」特徴入力を自動化する技術が機械学習だ。

 機械学習は、客観的に発見できる特徴の違いから適宜分類する「教師なし」学習と、人が「これは猫だよ」と「しるし(アノテーション)」を付けたデータ=教師データを使う「教師あり」学習に分けられる。猫や犬を識別するための技術には、一般的に「教師あり学習」といわれる手法が使われる。

 先のロプロスの撮影データから、「人体改造に使われる道具」「人体」「体の縫い目」「薬品」などが識別できれば「これは人体改造を行っている場面に見える」とコンピュータが推測することは可能かもしれない。そのような技術を「自動アノテーション」という。

 ただし、人体改造の識別にはとても大きな障壁がある。それは「これが人体改造をしている場面の写真である」という教師データが、普通には手に入らないことである……。

○情報収集と解説

・IoTのようなネットワークインフラは、現代の方が進んでいるかもしれない
・映像から「何の場面か」を推定する技術は、現代の機械学習でも実現できる可能性はある

●人間の言葉で会話する

 バベルの塔のコンピュータは、人間の言葉で会話する。これは、2017年のコンピュータでどれぐらい可能だろうか。

 バビル2世を現役で見ていた世代のIT技術者の多くが、1980年代に音声認識ブームがあったことを知っているのではないかと思う。当時の技術はまだ未発達だったが、その後、機械学習の技術を適用したり、クラウドなどのおかげでたくさんのサンプルデータが手に入るようになったりしたことで、音声認識の性能はとても良くなった。Appleの「Siri」や、Googleの「OK Google」などは、スマートフォンとクラウドが実用性向上に大きく関わっている。

 「自然言語解析」の技術も重要なものだ。筆者が研究している対話システムは、タスクベースで人が話しかけてくる言葉に対して対話を行い、返答を生成する。

 日本人は「フランクフルト」という言葉を、「土地の名前」や「食べ物の名前」として理解する。筆者が研究している対話システムは、そういった違いを対話の流れからくみ取る技術を提供している。「フランクフルトから東京へ」「東京へフランクフルトから」というように地名が2つあったら、「どちらが発地」で「どちらが着地」かを文型から推定することもできる。

 現在の対話技術の最も大きな問題は、辞書のメンテナンスと音声認識の雑音に対する弱点だ。辞書は、「音声認識時」「言語解析時」「意味解釈時」「文組み立て時」「発声時」と、さまざまなタイミングで使われる。

 しかし、これらの多くの辞書は、「あらかじめ用意された」ものを、「個別に」持っていることが標準的だ。音声認識がテキストに変換できても後段が処理できなかったり、後段は処理できるのに音声認識がテキストに変換できなかったりする。

 また、少しでも騒音があると音声認識が簡単に失敗する。例えば「周りにたくさん人がいる」「アナウンスが流れている」「機械の音がする」「反響の大きい部屋」など、音声認識に邪魔になる音は世間にあふれている。それらは音声認識にとって脅威だ。

 さらに、2017年の音声認識は、アナウンサーのように流ちょうに話しかけないと認識しない、という弱点もある。考えながら、戸惑いながら話したものは、ほとんどの場合、正しくテキストに変換できない。

 そのように考えると、漫画に登場したようなやりとりは、2017年の技術ではまだ達成できていないというのが筆者の見解だ。

○音声認識

・この数十年で急激に発達したが、バベルの塔のように会話するのは現代の技術では困難

●全く追い付けない技術

 バビル2世には、2017年のAIではかなうべくもない技術も書かれている。

 収集した情報を「解析」してさまざまな状況を「理解」し、「論理的」にものを考え、「行動」を起こし(武器を使うなど)、場合によっては「自分で自分を修復」する――後半になると、バベルの塔のコンピュータは、より複雑なタスクをこなすようになる。

 5巻135ページでは、「無人」で敵と武器を使って戦い、7巻46ページでは、ヨミが犬と戦うシーンで「ヨミが既にビールスを退治する方法を見うけているのかもしれない」と「予測」している。

 12巻201ページでロプロスは危険を予測し、バビル2世の命令に反し、彼を海へ落としてしまう。これも非常に複雑な「予測」をしており、その対策を実施しているシーンだ。

 戦闘シーンでは、被害状況のレポートシステムや武器の発射システムなどが完全に「自動化」されている。これは、「状況の把握を数値計算できる状態にあれば、対応した武器を使って状況を改善する」というタスクとして、2017年のコンピュータでも実装できる可能性はある。

 ただし、人が操作したときより良い結果を出すかどうかは微妙である。実際の戦争では、補給や修理といったタスクが必要なので、完全無人で運用するのは2017年現在では不可能だ。

 バビル2世の状況分析のシーンは、コンピュータが物事を論理的に分析し、意味を解釈しているように見える。シンギュラリティーでAIが人類を凌駕(りょうが)する日が来ることを懸念する声も聞こえる2017年現在。これらは現在のAIで実現可能だろうか。

 残念ながら、2017年のAIはそういうことをするためのものではない。

 多くの場合、複雑なタスクを数値化などで「単純化」してから学習と予測をさせている。単純化はほとんどの場合、いかに論理的なものを単純な数値に置き換えていくかがキーである。

 つまり、2017年のAIが実施している予測の多くは、数値化されたものの予測であり、論理的に理解したり論理的に予測したりしているわけではない。このため、「予測されている次の攻撃によってバビル2世が危険なので、海に落として彼の命を救おう」という予測と行動計画を行うには、それを事前にシナリオ化してパターンとして登録しておき、それを「選択させる」ということしかできないだろう。

○無人運用、予測と行動

・戦闘の自動化は、他の部分がシナリオ化され自動化されていなければ不可能
・物事を論理的に分析し、意味を解釈するようなものは現存しない

●1971年のバビル2世が見た夢と、2017年の現実

 バビル2世に登場するバベルの塔のコンピュータについて、ここまで書いてきた内容をまとめる。

○まとめ

・2017年のスパコンや大手のクラウドは、「CPU」「メモリ量」「記憶容量」から考えると、当時のNASA環境のおよそ100億倍の環境に匹敵する
・画像解析による予測は、サンプルデータがあればある程度は実現できる
・音声対話技術は、2017年の技術では漫画で書かれたレベルまではできない
・出来事の理解、結果を予測した自律的行動は、2017年の技術ではまだ実現できていない

 懐かしの「バビル2世」に登場する「バベルの塔」を材料に、現代のAIシステムの能力について語ってきた。

 規模的な能力は、当時の横山氏の目に映った「未来的コンピュータ」に近いものとなってきている。しかし、このSF漫画が描いていたような「夢のようなコンピュータシステム」にはまだまだ程遠い。これらの夢を実現するには今後も研究、開発が必要である。

 連載「テクノロジー名作劇場」は今後、映画「2001年宇宙の旅」やテレビドラマ「ナイトライダー」なども取り上げる予定です。次回掲載をお楽しみに!

●筆者プロフィール
米持幸寿
人工知能とロボットのシステムインテグレーター
Honda Research Institute Japanで実用化部門ダィレクターとして、インテリジェントテクノロジーの開発に関わる。前職は、日本IBMでソフトウェア関連の仕事を28年。研究・開発、マーケティング、セールス、開発支援、アフターサービスなど、ソフトウェアビジネスの多くの業務を経験。

最終更新:5/12(金) 7:10
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