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この春「頑張り迷子」に陥っていませんか

ITmedia ビジネスオンライン 5/12(金) 7:10配信

 まずい。小生はこの春、意識ライジングである。

 『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)の著者であり、「意識高い系」という言葉を世に広めた男。そして、そういう残念な奴らを批判する急先鋒だと叩かれてきた私としたことが! 購読する新聞を7紙に増やし、複数のフィットネスクラブと契約、オシャレに皆が引くほど投資するなど、いつの間にか「自分磨きに一生懸命な俺」になってしまった。単に金遣いが荒いだけとも言えるのだが。

【4月病の処方箋は?】

 夏に待望の第一子が生まれるので、浮かれてしまっているのだ。将来の娘の披露宴に備え、最高にマッチョなカッコイイ状態で赤ちゃんを抱く写真を撮るために、頑張っているのだ。若い頃、モテるためにビーチで脱いでもスゴい体を目指していたときよりも、気合いが入ってしまっている。

 今回は、いまの私のように“張り切り過ぎている”人に向けて話したいことがある。

●迷走する「頑張り迷子」

 この時期に何かと話題に上がるのが5月病だ。そして5月病になってしまう理由の一つが、4月病だ。要するに、春がやってきて、新しい期を迎え舞い上がってしまい、何かと高めの目標を立ててしまったり、何でも手を出してしまい、うまく回らなくなる病である。何でもかんでも「病」と付けるのはどうかと思うのだが。

 この手の人のことを「頑張り迷子」とも呼ぶ。頑張りすぎて迷走してしまうのだ。先日、TBSラジオ「文化系トークラジオ Life」でこの悩みを抱えている人の相談に乗るという企画があり出演したのだが、何十通もの長文にわたる切実な相談が殺到し、この問題の根深さを感じた次第だ。

 自分自身、「頑張り迷子だな」と思う人もいることだろう。いや、そうではなくても、同僚や部下が頑張り迷子だと、自分の仕事も影響を受けてしまう可能性がある。

 頑張り迷子の取引先というのも面倒だ。いや、頑張ってくれるのはうれしいのだが、方向性を間違えている人というのは何かと面倒なものなのだ。

 以前の取引先で、とにかく一生懸命なのだが、いつもズレた提案をしてくる人がいた。「なんでそうなるの」という提案ばっかり持ってくるのだ。彼もしんどそうだったが、私も疲れ果てた。いや、どうしても受注が欲しかったのだろう。

 ただ、何でもやろうとして空回りし、何も評価できるポイントがない状態に陥っていた。本人の迷走感が半端ないのだが、じゃあ、本人だけが悪いかというとそうではなく、何かと頑張らないといけない世の中も悪い気もする。

●とにかく立ち止まって考えること

 前述したように、頑張り迷子は本人だけでなく、周囲にも悪影響を及ぼす。この病は早く治療する必要がある。

 頑張り迷子の処方箋は、とにかく立ち止まって考えることだ。「なぜ、そうなってしまったのか」という分析が必要だ。何かと頑張ってしまうのは「自分が認められていないと感じるから」「自信がないから」など、何かしらの根本的な理由がある。

 「これは自分に期待されていることなのか」と優先順位を確かめよう。また、周りに頑張り迷子がいたら、いったん立ち止まらせよう。君がするべき仕事とは何なのか、と。もっとも全ての経験は無駄にはならない。立ち止まり、再解釈することで経験を生かしたい。

 というわけでこの時期は、自分も周りも頑張り迷子になってしまわないように、要注意なのだ。



常見陽平

最終更新:5/12(金) 7:10

ITmedia ビジネスオンライン