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PTAの「おかしな正論」 渦巻く同調圧力、このブラックさ…「日本社会そのもの」かも?

5/13(土) 7:10配信

withnews

 小学校や中学校のPTAのお役目ってどんなイメージでしょうか。保護者のみなさんに聞いてみると、「これって必要な仕事?」と感じても、「子どものためだ」という空気に押されたり、みんなもやっているからと我慢していたり。取材で出会ったのは、おかしな正論がまかり通ってしまう、実はブラックな世界。職場とか地元とか、あちこちに転がっている理不尽とも共通していました。(朝日新聞記者・田中聡子)

【画像】PTAの「おかしな正論」公平に苦しもう・個人の希望はわがまま…

恐るべき同調圧力

 PTAに渦巻く同調圧力を知ったのは、ネットを使ったPTAについてのアンケートに全国から集まってくる意見を目にしたときでした。

 保護者が入会するのも退会するのも自由なはずなのに、入学と同時に入会したことになっている。

 「広報係」「校庭開放係」など、係の分担を決める時は、じゃんけんやくじ引きで押しつけあうほど「いやいや」なのに、「じゃあその係をなくそう」とは言い出せない。

 家庭の事情を理由に係の免除を頼んでも、「わがまま」と言われてしまう。

 強制的で不寛容な組織への不満がつづられていました。

「子どものため」で思考停止に

 この結果を全国組織である日本PTA全国協議会の当時の会長に見てもらったところ、「みんなが一緒にやらなければ」「子どものためだ」との反応が……。

 平行線の議論に、PTAへの入退会の自由を徹底させた、ある小学校の元会長の言葉を思い出しました。

 「子どものためという言葉は、親を思考停止に陥らせてしまうことがある」

 子どものためだと言われると、個人の主張が、何でもわがままのように聞こえてしまうというのです。

 集団のなかで言われたことには意見をせず、与えられた仕事をきちんとこなすことが最優先されて、活動そのものの意義や成果はなおざり。想像するだけで、息が詰まります。

不満があっても言えない雰囲気

 友人の30代の会社員の女性は、昨年長女が小学校に入学しました。

 店で泣いている我が子に「うるさい」と苦情を言ってきた相手に、「子どもなんだから泣くのは当たり前だ」と食ってかかるような、言いたいことは言うタイプです。

 ところが、PTAに関してはそうはいきませんでした。

 入学前の学校説明会で配られたPTAについての説明には、会費が給食費と一緒に引き落とされることや、全員が必ず毎年一つは係をすることなどが書いてありました。

 大前提である入退会の自由はおろか、入会の意思確認にも触れていません。 

 友人は「おかしい」と思ったけれど、「とても言い出せる雰囲気じゃなかった」と振り返ります。

 「みんな黙って聞いていたし、子どもに影響が出たらかわいそうだから……」。結果、日程の希望すら聞いてもらえないパトロール当番などに不満を持ちながらも出かけています。

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最終更新:5/13(土) 7:10
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