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米空軍HP「嘉手納、降下訓練に適地」 県、強い不信感

琉球新報 5/12(金) 6:30配信

 米空軍が公式ホームページ(HP)で、兵士がパラシュート降下訓練をしている写真とともに「嘉手納基地はパラシュート降下訓練に適している」と記していることが11日、分かった。パラシュート降下訓練は1996年のSACO(日米特別行動委員会)合意で、伊江島で実施することになっており、嘉手納基地での実施は「例外的」な場合に限るとされている。県や地元自治体は住宅地が隣接する嘉手納での降下訓練は危険だとして反対している。米軍側が一方的に嘉手納基地が「適している」と公言したことに県は「SACO合意を何と思っているのか」と強い不信感を示した。
 米空軍HPは、4月24日に嘉手納基地で訓練したと記し、MC130特殊作戦機から飛び降りる兵士の写真とともに「嘉手納基地の陸・水域降下地点は、マルチパスパラシュート降下訓練に適しており、同訓練は限られた資源と練度を最大化する」と記されている。
 県は11日午後、沖縄防衛局と外務省沖縄事務所の幹部を県庁に呼び、10日に米軍が嘉手納基地で強行した夜間のパラシュート降下訓練に抗議した。席上、県側が空軍HPの記事を配布し問題を指摘。富川盛武副知事は「嘉手納での訓練がよもや常習化されるのではと思ってしまう。これまで積み上げてきた合意から外れることがあってはならない」と述べ、嘉手納基地での降下訓練中止を米側に強く申し入れるよう求めた。
 沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長は「今回の訓練について米側から、なぜ例外的にあたるのかという十分な説明はなかった」と述べ、米側に遺憾の意を伝えたことを明らかにし、外務省沖縄事務所の井関至康副所長も同様に米側に遺憾の意を伝えたとした。
 富川副知事は、訓練が夜間だった点にも触れ「(視界が悪く)間違えれば(民間)道路に出たかもしれない。県民が不安に感じるようなことがあれば、日米安保にも影響しかねない」と指摘した。謝花喜一郎知事公室長も「記事が出ること自体、米軍がそもそもSACO合意を何と心得ているのかと思う。米側に強く申し入れてもらわないと、日米の信頼関係を損なう」と語気を強めた。

琉球新報社

最終更新:5/12(金) 6:30

琉球新報