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「生後数カ月で父親と良質なコミュニケーションをとった乳児は物覚えが早い」英大学調査

5/12(金) 6:40配信

ZUU online

「生後数カ月の時期に、父親と良質なコミュニケーションをとった乳児は、物覚えが早くなる」ことが、オックスフォード大学の共同研究 から判明した。

父親特有の「刺激的で精力的なアプローチ」が幼い子どもに好奇心を目覚めさせ、認知発達(知識・知覚・学習・記憶など、人間の知能の変化)を促進するのではないかと推測されている。

■父親の接し方の影響が早ければ生後3カ月で表面化する

この調査は生後3カ月と24カ月の乳児と、その父親128人のコミュニケーションに焦点を当て、父親が乳児の認知発達におよぼす影響を探ったもの。オックスフォード大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン、キングス・カレッジ・ロンドンの研究チームが、共同で実施した。

過去の調査からは「父親は母親よりも、子どもにとっては刺激が強く活発なコミュニケーションをとる傾向が強い」ことがわかっており、こうしたアプローチの影響が、早ければ生後3カ月で表面化するという。

母親の献身的なサポートも子どもの成長に重要な要素であることは変わりないが、「父親の接し方が乳児の認知能力を左右する」という結果が報告されるのは、今回が初めてだという。

■父親のアプローチが消極的な2歳児は、認知能力テストで低スコア

調査では、父親と3カ月の乳児が床のマットの上で、おもちゃを使った遊びや本の読み聞かせをしている様子をビデオで3分間撮影し、個々の様子を専門家が分析した。さらに24カ月目に、幼児の認知能力(色、形など)をテストし、その関連性を調べた。父親の所得や年齢がおよぼす影響も、分析の一部として考慮されている。

その結果、3カ月の時点で父親から積極的なコミュニケーション受けた子どもは、24カ月の認知能力テストで高スコアを獲得し、逆に父親のアプローチが消極的だった子どもは、低スコアにとどまった。

「消極的な父親は言葉数も少なく、非言語的な関わり方になりがちなため、乳児の社会的学習経験に貢献しにくい」ことが、主な原因ではないかと見られている。

さらに興味深いことに、落ち着いて堂々と本の読み聞かせをした父親の子どもは、注意力や問題解決力が高く、言葉や社会スキルの発達も平均以上という結果がでている。

研究チームは「乳児期における父親の積極的なコミュニケーションが、子どもの発達にいかに重要であるかが、調査結果に反映されている」と結論づけている。

■ポジティブな父親の子どもは、思春期に問題を起こす確率が3割低い

オックスフォード大学は昨年も、「親としての役割に自信がある父親の子どもは、幼年期に素行問題が見られにくい」 との調査結果を発表している。

この調査では父親が親としての役割をとおして、「子どものあつかいに自信をもっているか」「パートナーと強い絆を結んでいるか」などに焦点を当て、父親の心理状態が将来的に子どもにあたえる影響を分析した。

1万人を超える子ども(そのうち6000人が9歳から11歳)の両親から、親子の精神面の健康に関する情報を収集し、家庭の外で過ごす時間(保育所など)、子どもの素行や発達についてもアンケートを実施した。

その結果、子どもが思春期(10歳から12歳)に突入した際、大きな差が見られることがわかった。親としての役割に自信がある父親の子どもは自信のない父親の子どもよりも、素行問題を起こす確率が28%低い。

これらの調査が示す共通点は、「ポジティブな父親とのコミュニケーションが、子どもの成長に多大なる影響をおよぼす」ことだ。一家を支える父親の多くが、「仕事が忙しくて子どもと過ごす時間が十分にとれない」といったジレンマをかかえているが、調査結果を見るかぎり、時間の長さではなく共有する時間の質が重要だろう。いかに有意義なひと時を子どもと一緒に過ごすかによって、子どもの未来が大きく変わるのかも知れない。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

最終更新:5/12(金) 6:40
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