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「糞便弾」飛び交うベネズエラ 国民がうんこ使ってまで怒る理由 手袋してバケツからペットボトルに…

withnews 5/14(日) 7:00配信

 南米のベネズエラでうんこが飛び交っています。大統領の圧政に反対する市民が、反政府デモの「武器」として使っているからです。なぜ糞便が使われるのかにも、ちゃんとした理由がありました。(朝日新聞国際報道部記者・神田大介)

【画像】治安部隊に「糞便弾」で抵抗 ベネズエラの緊張感あふれるデモ

「俺たちの武器」

 ロイター通信によると、「糞便弾」はプラスチック製の容器に人間や動物のうんこを詰めたもの。作り方がスマホのアプリ「WhatsApp」(日本で言うLINE)を通じて広まったそうです。

 ベネズエラの反政府デモは今年4月から激しさを増しています。政府は装甲車を出し、催涙ガスや放水で追い払っていますが、40人近い死者も出ています。銃撃されたり、装甲車にひかれたりしているようです。

 「彼らが武器を使うなら、民衆は自分の持っているものを使うだけさ」。国会議員の1人はロイター通信に話しています。

 火えん瓶を「モロトフ・カクテル」と呼ぶのになぞらえ、「プープートフ・カクテル」と呼ばれているそうです。(プープーは「うんこ」を意味する赤ちゃん言葉)

こめられたメッセージ

 なぜ糞便なのか。報道によると、まず一つには、簡単に手に入るから。

 また、治安部隊にけがを負わせず、屈辱を与えることができるから。石や火えん瓶を投げ込むデモ隊もいますが、こちらはあえてガラス瓶ではなく、プラスチックの容器を使うように呼びかけているそうです。

 そして、もう一つ理由があります。

 ベネズエラは産油国。地中に埋まっている石油の量はサウジアラビアより多く、世界最大です。もともとは南米でも豊かな国でした。

 ところが、ここ数年で石油の値段が半分ほどに下がり、政府が有効な手立てをうたなかったため、急速に経済が悪化。

 国民は食べ物や医薬品にも事欠き、飢え死にや病死が相次いでいます。

 糞便弾がまき散らされれば、衛生状態は悪くなります。「だけど俺たちにはそれを洗うせっけんすらない」。そんなメッセージが込められているというのです。

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最終更新:5/14(日) 7:00

withnews