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TVアニメ『信長の忍び ~伊勢・金ヶ崎篇~』主題歌「白雪」リリース記念 蓮花インタビュー

M-ON!Press(エムオンプレス) 5/12(金) 13:08配信

『信長の忍び』1期に続き、2期である『信長の忍び ~伊勢・金ヶ崎篇~』でも主題歌を担当することになった蓮花。3rdシングルとなる今作には両主題歌が収められている(1期主題歌の「徒桜」は未メジャーリリース。コミックマーケット91でCDを販売後、現在はMusing限定で販売中。今シングルにはピアノバージョンを収録)こともあり、この2作品で彼女がどのように作詞を手がけ、歌に思いを込めたのか、その流れを聞いてみることとする。

「白雪」の試聴はこちら

――まず、1期『信長の忍び』の主題歌に決まった際、どのような歌詞を書こうと思ったのでしょうか?

蓮花 実は、「徒桜」というタイトルで命のはかなさと美しさをテーマに詞を書きたいとずっと思っていたんです。そんなときに『信長の忍び』の主題歌が決まって、戦国時代という刹那を生きる主人公たちの世界観と、その書きたかったテーマが合っていると思えたので、歌詞とすることを決めました。

――徐々にシリアスな展開が増えていきますが、『信長の忍び』の原作は基本4コマギャグマンガです。そのあたりは意識されましたか?

蓮花 原作は、私も読んでいてすごく好きになったんですけど、詞を書くときは俯瞰(ふかん)と言いますか、作品といい距離感を保ったほうが自分の書きたいことも書けるし、作品にも寄り添えると思っているんですね。なので今回もそういう意識で書いていました。

――では、「徒花」で『信長の忍び』に寄り添った部分も教えてください。

蓮花 戦国時代も今も、いつどうなるか分からないという意味では共通しているというか、命のはかなさと美しさ、尊さはいつになっても変わらないという部分を表現したいと思っていました。

――そういったテーマを書きたいと思ったきっかけというのは?

蓮花 子供の頃から、「生きる」とか「死ぬ」とかそういうことをとても近くに感じていたんですね。人だけではなく花とか物とか対しても。周りのみんなは、道に咲いている花が踏まれていたとしても気にせず通り過ぎることが多かったんですけど、自分は気にかけるというか。折れた花を見て、風に吹かれたのか人に踏まれたのか、そういうことを考えていて……。だから、いつの間にか書きたい気持ちになっていたんだと思います。

――KAZUYAさんの楽曲から影響を受けた部分はありましたか?

蓮花 メロディラインを聴いた瞬間、1stシングルや2ndシングルとは違う形で声の表現ができるんじゃないかと思ったんですね。違う私を見せられる楽しさがありそうに感じたので、レコーディングの日まで「どういう表現を見せようかな」ってわくわくした気持ちでした。

――どういう表現を見せることに決めたんですか?

蓮花 やっぱり、命ははかなく、美しく、尊いもの、というのをしっとりと歌おうと意識しました。悲しげな感じを出しつつ、サビに向かって熱量を多くして、前に向かっていくような感じですね。息の成分や使い方もコントロールしながら歌っていて、新たな自分を発見できた曲でもありました。

――完成したあと、自分で聴いてみていかがでしたか?

蓮花 「素の自分に近づいていたかな」っていう感じがします。(1stシングルの)「if~ひとり思う~」や(2ndシングルの)「Don’t Cry」が素ではないというわけではないんですけど、体で表現したい、歌で伝えたいという思いが子供の頃からずっとあって。それを自然に表現できている気はしています。なんとなく「自分に近づいてきているのかな」って感覚がありました。

――それでは今回の「白雪」について。1期の主題歌とは同じテーマで書くわけにはいかなかったと思いますが、どのようなテーマで書こうと思いましたか?

蓮花 「白雪」は、いただいた曲を聴いた瞬間に浮かんできたものをそのまま言葉にしていきました。KAZUYAさんの曲に導かれて言葉がどんどん出てきたっていう感じですね。

――それはどういうイメージだったんですか?

蓮花 曲を聴いた瞬間に桜と雪という幻想的な絵が浮かびました。桜が満開の頃に普通、雪は降らないじゃないですか。だから、曲の力に支えてもらったんだと思います。曲との出会いは、自分でも想像していなかったようなことが浮かんでくるのでいつも感謝していますし、すごく楽しみなんです。このタイトルも「徒桜」と同じぐらいに気に入っていますね。今回、「白雪(しらゆき)」という4文字が頭の中に広がって、そこからどんどんどんどんつなげていくような感じで書いていったんです。KAZUYAさんの曲だと本当の自分に近づけるような感じがあって、「相性がとてもいいのかな」って思っています。

――では、詞作はわりとスムーズに?

蓮花 そうですね。ただ、自分の思いを重ねて書いていくなかで、古語を使って言葉の美しさを表現したいというのがありました。“溺れし春に”や“燃ゆる心”、Dメロの“髪結わえてくれた”もそうですね。言葉自体が作品のように思える美しさが昔の言葉にはあると思うので、そこも伝えていきたいと思い、言葉選びにはかなり気を配りました。自分の思いを詰めながら、言葉をきれいに表現することもでできたんじゃないかと思っています。

――雰囲気のある言葉をどう歌で表現するかという部分は難しかったかと思いますが、どのように歌いましたか?

蓮花 これはもう、女性が熱く燃え上がる恋を歌っているので、コントロールのきかない感情を意識しました。歌詞でも、主人公の千鳥がもし恋をしたら……という想像も含めて書いたんです。

――「徒桜」ではいつもと違う歌い方に挑戦したということでしたが、「白雪」では?

蓮花 最初の1行とか、地声と裏声を行ったり来たりしているんですね。聴いている方は気づかないかもしれないんですけど。Dメロの4行もそうですね。やっぱりDメロって全体の中で重要ですし、ちょっと楽しみなところでもあるんですよね。サビとはまた違っていて。喉の使い方もいつもと少し変えていて、1番のサビでは“風向き 変えたあなたの背中をずっと見ていたいよ だから、”で声の揺れみたいなものを意識して歌っています。演歌の回し方のような。細かくいろいろと取り入れていて、自分でも新たな表現方法が増えたのがうれしいんですね。だから、違う音、違う表現に気づいてもらえるとうれしいですね。

――地声と裏声を行き来するというのはレコーディングに入ったときに思いついた表現だったんですか?

蓮花 練習してるときに「これだ」って。絶対レコーディングで表現しようと思いました。思いついたときはうれしかったですね。

――地声と裏声を行ったり来たりすることで、どういう表現ができると感じたのでしょうか?

蓮花 「はかなさ」を出せると思ったんです。はかなさと美しさを兼ね備えているものに私は惹かれるんですけど、桜はそういう花だと思うんですね。だから、そこを表現したくてやってみました。

――カップリングの「Gemini」はどのような曲ですか?タイトルは「ふたご座」のことですよね。

蓮花 はい。でも、人の二面性、相反する感情を表している曲なんです。ひとりは寂しいけど誰かといたらちょっと苦しくなっちゃうとか、誰もが抱いている感情を描きたかったんですね。私自身、自分が悩んでいることを誰かが代弁して歌ってくれると「自分だけじゃないんだ」って救われた気持ちになるので、今回は自分が代弁する側として表現してみました。日記に書いた言葉をちょっと取り入れているので、かなり素直な歌詞になっているんじゃないかと思います。

――歌詞ノートとは別に日記を書かれてるんですか?

蓮花 はい。たくさんノートがあるんです。

――歌詞ノートと一緒に日記からも歌詞のアイデアをつまんでくることがあるんですか?

蓮花 そうです、そうです、読み返しもします。より正直な自分を出せれば、たくさんの方に共感してもらえると部分も多くなるのかなと思って。だから、恥ずかしいって思う部分も恐れずに出していったところもあります。

――日記から歌詞に採用された部分っていうのは具体的にはどこがあたるんですか?

蓮花 ふふふふ(笑)。気に入っているのは、2番のAメロの“くたびれた胸が さがし求めてたのは その場しのぎの言葉じゃなくて 揺るぎない 確かなぬくもり”ですね。かなり自分の本音かもしれないです。多分こういう感情って誰もが多かれ少なかれ持ってるのかなと思うので。最初の“流した涙の記憶が 星屑を 繋いで 夜空へと刻まれた…”も、情景を皆さんに描いてほしいという思いが強くあったんです。サビと同じで、自分と重ねてもらうことで安心感に繋がってほしいと思いました。最後の“選ばず煌めく星たちは 選んで嫌ってる私さえ 照らしてた”は、人間って好き嫌いがあっていろいろと「選んで」いるというところを表現したかったところです。「自分自身でも考え直さなきゃ」という気持ちで書いていましたね。

――「Gemini」はどのような気持ちで歌いましたか?

蓮花 星座を、きれいな情景を、思い浮かべながら歌いました。ちょっと照明を暗くするとか、雰囲気を作っていました(笑)。

――この曲でも新たな歌い方に挑戦したんですか?

蓮花 「Gemini」で意識したのは、物語を読むようなイメージです。本を読んでいくようにしっとりと歌うことで、ちょっと思い悩んでいるときに聴きたくなるような曲のひとつになればいいな、と思っていました。だから、耳元でささやいているような感じを意識して歌いました。

――そこはラジオ(FM NORTHWAVE「蓮花 Voice…」)での経験が活かされてそうですね。

蓮花 それはかなりありました。ラジオをやっていることで、考え方も柔らかくなってすごくいい方向に進んでいると思うので、ラジオを経験させてもらっていることにすごく感謝しています。言葉を伝えるっていうところでは共通しているんですよね。言葉選びをより大事にしていくようになったと思います。

――もう1曲の「命の花びら」についても、どういったイメージで作詞をされたのか教えてください。

蓮花 この曲は、茎の部分から落ちた桜の花を見て、絵に残したいと思ったのが最初で。そこから「命の花びら」というタイトルも生まれました。歌詞としては、自分が戦国時代に生きていたと仮定して、目の前で大事な人を失ったとしたら……という想像をしながら作った曲でした。歌でも最初の、“命の花びら散って 誰も気づかない 感じない 睨んだ”の、特に「睨んだ」にかなり感情を込めています。今は誰に対しても無関心で、人の命が失われることにあまりショックを受けない人も多いと思うと、怒りや悲しい気持ちがすごく沸いてくるんですね。そういう思いを「睨んだ」に込めました。

――「TVアニメ『信長の忍び』特別盤」CDには、『信長の忍び』で主人公の千鳥を演じている水瀬いのりさんとラジオ番組形式で行った対談も入るとか。

蓮花 水瀬さんはものすごく明るい方で。楽しくお話させてもらいました。本当にかわいらしい方で(笑)。

――緊張されました?

蓮花 しました。現場の雰囲気が全然違うので。でも、すごく新鮮な気持ちでした。ラジオはいつもひとりなので。

――水瀬さんとの対談で印象に残っている瞬間というと?

蓮花 やっぱり、自分ひとりで話すときには出ない言葉が出てくるんですよね。相手とやり取りをするので。自分でも「あ、こんなふうに思っていたんだ」って分かる機会だったのですごく面白かったです。言葉や会話って面白いですね。

――では、水瀬さんはパーソナリティの相手としてはすごくやりやすく?

蓮花 すごく合わせていただきました。緊張をほぐしていただいて。素晴らしかったです。ホントに。私も頑張ろうって気持ちになりました。

――ラジオの経験が豊富ですしね。先輩として、特に参考にしたいところはありましたか? 例えば、切り返しがうまいとか頭の回転がすごく早いとか間がうまいとか聞き上手とか。

蓮花 今、おっしゃったことすべてです。

――(笑)。かなりの尊敬ですね。

蓮花 私はわりとゆっくり喋るタイプなので、自分のラジオ番組もしっとりした感じなんですけど、お相手がいるとまたテンポ感が変わりますね。発見でした。

――では、水瀬さんに続いていろいろな方と?

蓮花 そうですね。勉強したいし、楽しいのでぜひ。別の方とでしたら別の言葉もきっと生まれると思いますので。

――デビューから3枚目のシングルとなりますが、自分の中に変化を感じますか?

蓮花 「徒桜」「白雪」でも心がけたところですけど、デビュー曲だった「if~ひとり思う~」のときと、「あれ、蓮花さんの歌がちょっと変わったかな」とか「違う表現の仕方だな」って楽しんでもらえたらうれしいと思っているんです。そうやって目の前の一つひとつを大事にしていったら多分、振り返ったときに気づけると思うんですよね。「少し成長できたかなー」って。積み重ねを大事にしたいと思ってます。

――では、3rdシングルではどのような蓮花さんが見られますか?

蓮花 デビュー当時から自分が伝えたい芯の部分は変わっていなくて、その部分を表現しつつ、また新たな表現力を引き出してもらえたと思います。そこを感じ取ってもらえるとうれしいですし、思い入れのある曲ばかりなので、皆さんの反応がすごく楽しみですね。「劇的に変わったね」とはならないとは思うんですけど、自分の素直な部分が強く出ていたらいいですね。

――最後に。これから蓮花さんの好きな花の季節が来ますが、どんな気持ちで迎えますか?

蓮花 今は、皆さんにまたライブをお届けしたいと思っています。「徒桜」や「白雪」を通じて知ってくださった方も多いと思いますし。

――蓮花さんにとってライブはどんな場所ですか?

蓮花 ファンの皆さんと会話する場所かな。直接一人ひとりと言葉を交わすことができなくても、目で会話することができるので、すごく素敵な場所だと思います。いちばん安心する場所というか、自分をより表現できる場所だとも思うので大事にしていきたいです。

Interview&Text By 清水耕司(セブンデイズウォー)

●リリース情報
3rd シングル
「白雪」
5月10日発売

【初回限定盤】

品番:JBCZ-4032
価格:¥1,600+税
※初回限定盤スリーブケース仕様

<CD>
M1:白雪
M2:Gemini
M3:命の花びら
M4:徒桜 (ピアノアレンジVer.)
M5:白雪 (カラオケVer.)

<DVD>
「白雪」Music Video

【通常盤】

品番:JBCZ-4033
¥1,200+税

<CD>
M1:白雪
M2:Gemini
M3:命の花びら

【TVアニメ「信長の忍び」特別盤】

品番:JBCF-1008
価格:¥1,800+税
※TVアニメ描き下ろしイラストのスリーブ付き

<CD>
M1:白雪
M2:Gemini
M3:命の花びら
M4:Bonus track
※「信長の忍び」特別ラジオ番組(蓮花×水瀬いのり対談)未公開トーク

<DVD>
「徒桜」「白雪」ノンテロップオープニング
「白雪」Music Video Anime Ver.

(C)重野なおき/白泉社・信長の忍び弐部製作委員会

関連リンク
蓮花オフィシャルウェブサイト蓮花 公式TwitterTVアニメ『信長の忍び』公式サイト

最終更新:5/12(金) 13:08

M-ON!Press(エムオンプレス)