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19年ラグビーW杯、課題はチケット販売 新国立での開催できず…15年大会の人気は霧散

夕刊フジ 5/12(金) 16:56配信

 ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)日本大会の1次リーグ組み合わせ抽選会が10日に京都市で開かれ、初の8強進出を目指す日本代表の対戦相手が決まった。アジアで初めて開かれる大会をホスト国として迎える日本は、代表チームの強化、資金確保、運営面などで課題が多い。残された時間を無駄にできない。

 前回15年イングランド大会の1次リーグで3勝を挙げ躍進した日本が、19年の自国開催で初のベスト8入りを目指す。

 この日の抽選で世界ランキング11位の日本は、アイルランド(同4位)、スコットランド(同5位)、欧州予選勝者、欧州・オセアニア・プレーオフの勝者と同じA組に入ることが決まった。

 前回は10-45で敗れたスコットランドとは2大会連続の対戦となる。過去の対戦成績はスコットランドに1勝10敗、アイルランドには7戦全敗。いずれも格上で、1次リーグ突破は容易ではない。ただ、欧州予選勝者はルーマニアなどが予想され地力で日本が上。豪州、ニュージーランドなど“超強豪”との同組にならなかっただけでも、組み合わせに恵まれたといえる。

 特にA組最上位のアイルランドは一枚上手で、日本は6月17、24日に国内でテストマッチが決まっている。勝って勢いをつけたいところだが、あまり手の内を見せてしまうと今後に影響する。戦い方が難しい対戦だ。

 15年大会の日本の活躍は旋風を巻き起こしたが、逆に警戒された中での戦いとなることから、1次リーグ突破のハードルは高くなる。

 ホスト国としての課題も多い。日本では02年サッカーW杯以来の大規模国際大会の実施で、地域や経済の活性化に加え、翌20年には東京五輪を控えることから、スポーツ機運が高まる活発な大会にしたい。ところが、15年大会では盛り上がったとはいえ、日本のラグビー人気は安定しているとはいえないのは大きな懸念材料だ。

 認知度アップは最大のテーマといえる。ヤマハ発動機スポーツ振興財団が昨年実施したインターネット調査では、19年W杯の日本開催を「知っている」としたのは回答者の50・4%にとどまった。国内のトップリーグ入場者数も15-16年は過去最多の49万1715人を記録したが、昨季は46万364人と減少。

 京都での抽選会開催も海外への情報発信を考慮してのもの。あいにくの悪天候となってしまったが、抽選会が英国とアイルランド以外で行われたのは初めてで、海外でのチケット販売につなげたい思惑があった。

 運営費確保の鍵となるのがチケット販売だ。大会の予算規模は最大450億円程度。組織委は「ワールドパートナー」といった大会スポンサーとは別のローカルスポンサー設定を求めたが、ワールドラグビー(WR)は認めなかった。

 スポンサー料や放映権料はすべてWRに入ってしまうため、組織委は収入の大半をチケット販売に頼らなくてはならない。15年大会はチケット販売数が史上最多の247万枚、販売収入は2億5000万ポンド(368億円)に達した。日本では欧州並みの販売は困難としても、200万枚以上が目標になっている。

 あてにしていた建て替え後の新国立競技場での開催ができなくなったことでチケット収入には大きなダメージがある。結局、19年大会の国内12会場のうち、新設は釜石鵜住居復興スタジアム(仮称、岩手県釜石市)の一カ所のみとなった。

 出場チームが主に大会期間中に滞在する公認キャンプ地は、夏までに候補地が決定する。ボランティアや地方自治体の行政とともに、ラグビーを各地で盛り上げることができるか。

 熱しやすく冷めやすい日本では、15年大会の盛り上がりはほとんど霧散している。派手でなくとも確実な足取りを進み、限られた時間の中で課題を一つずつクリアしないと成功にはたどりつかないだろう。

最終更新:5/12(金) 16:56

夕刊フジ