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なぜ浦和には人種差別的問題がつきまとう? OB田口光久氏が“森脇騒動”に苦言

日刊ゲンダイDIGITAL 5/12(金) 9:26配信

コラム【元日本代表主将 田口光久のホンネ炸裂トーク】

 4日の浦和─鹿島戦で起きた「浦和DF森脇良太(31)の人種差別疑惑騒動」が、一応の決着を見た。9日に日本サッカー協会が、公式HP上で「他の競技者、他の競技に立ち会っている人々に対する侮辱行為」「2試合の出場停止処分」を発表したのである。

 後半33分だった。コーナーフラッグ付近で小競り合いが起きた際、森脇の言動を巡って鹿島MF小笠原満男(38)が激高するなど、ひと悶着があった。試合後、小笠原は「(森脇が鹿島MF)レオ・シルバに対して口と鼻をふさいで『くせえ』という言葉を発した」とメディア陣に訴えた。

 森脇は「鹿島の選手たちに詰め寄られ、たくさんのツバがかかったので(不特定多数に)『口が臭い』と言った」と反論した。両者の主張が食い違う中、小笠原の「レオは『彼(森脇)はいつもそういうことを言う』と話していた」というコメントは看過できない。

 13年シーズンからJリーグでプレーしているレオ・シルバは実直な性格で知られ、日本語のヒアリング能力は非常に高いと聞いている。今回の森脇の言動が人種差別ではなく、侮蔑行為と結論が出た限り、レオ・シルバの発言は「信憑性に欠ける」と判断されたことになるが……。

 Jリーグの規律委員会は、7日に森脇と小笠原を呼んで個別に事情聴取を行ったが、森脇や小笠原の近くにいた選手は聴取したのか? 主審や副審からの聞き取りはしたのか?ピッチ上の集音マイクが拾った音声もチェックしたのか? スッキリしない部分は多い。

 それにしても、なぜ浦和に「人種差別的問題」がつきまとうのか? 

 これまで外国籍選手に対して浦和サポーターが差別発言を繰り返し、500万円の制裁金を科せられたことがある。14年には人種差別を標榜する横断幕をスタジアムに掲出。Jリーグ初となる無観客試合を命じられた。

 浦和は、横断幕問題の後に「差別の根絶を行う立場でありながら、深刻な事態を引き起こした」「今回の事案を機会に生まれ変わる」「差別的な発言と行為を撲滅していく」と表明し、これを徹底するために専従職員を置いた。しかし、処分が「侮蔑」と結論付けられた上であえて言わせていただくが、今回の騒動の“当事者”がサポーターではなく、主力選手であることを浦和フロントは肝に銘じて欲しい。

 浦和は、職員やサポーターへの啓蒙活動はもちろん、社会的に影響力の大きい選手に「差別的な発言と行為」の愚かしいことを周知徹底しなければならない。

 浦和OBとして、本当に「生まれ変わる」のか、厳しい目で見守っていきたい。
(田口光久/サッカー解説者)

最終更新:5/12(金) 9:26

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