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報告件数10年で20倍…寄生虫「アニサキス」急増の恐怖

日刊ゲンダイDIGITAL 5/12(金) 9:26配信

 魚介類の寄生虫「アニサキス」の急増で不安が広がっている。厚労省の統計によると、2007年に6件だった報告件数が、16年に20倍以上の124件に達した。

 同省のHPによると、アニサキスの幼虫は体長2~3センチ。サバやイワシ、カツオ、イカなどの魚介類に寄生する。食酢や塩漬け、醤油、わさびでは死滅しない。

 なぜ急増したのか。

「ひとつには医療機関から保健所への届け出が増えたこと。これまではお腹が痛くなり胃けいれんとして処置された患者が、内視鏡が発達したため、アニサキスが原因として届けられるようになったのです」

 こう説明するのは、寄生虫に詳しい東京医科歯科大名誉教授の藤田紘一郎氏(感染症学)だ。

 報告件数が急増したもうひとつの原因は、魚の流通方法が変わったこと。アニサキスは70度以上で加熱したり、マイナス20度以下で24時間冷凍すると死滅するが……。

「これまでは市場の仲買業者が新鮮さを保つため買い付けたらすぐに冷凍保存していた。そのためアニサキスが死滅したのです。ところが最近は大手スーパーなどが産地で直接買い付けて持ち帰り、そのまま刺し身にして販売することがある。この方法だとアニサキスが死滅しないのです。直接買い付けた料理屋なども同様の危険があります」(藤田紘一郎氏)

 アニサキスが人体に入った場合、胃壁に頭を埋め込んだアニサキスを撃退するため、人体が胃液やヒスタミンを分泌して攻撃する。この抗体反応によって、人は七転八倒の痛みを感じるのだ。

「予防策は加熱するか、24時間冷凍をすること。内臓は熱を加えて食べるようにする。スルメイカなどは光に透かすと1センチ足らずの筋が見えることがある。これがアニサキスです。見つけたら引っ張って除去してください」(藤田紘一郎氏)

 アニサキスは5、6月から増えるそうだ。今から撃退を心掛けたい。

最終更新:5/12(金) 9:26

日刊ゲンダイDIGITAL