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大阪桐蔭・西谷監督を直撃!「PLに勝ちたい その思いでここまできた」

夕刊フジ 5/12(金) 16:56配信

 【古内義明の日本体育会紀行】大阪桐蔭(1)

 日本のスポーツ界を支えているのは、高校、大学などの体育会運動部だ。スポーツジャーナリストの古内義明氏が、全国の名門体育会を探訪する新連載。第1回は今春の選抜高校野球大会を制した大阪桐蔭。名将、西谷浩一監督(47)を直撃した。早実・清宮の活躍もあり、高校野球は今夏もヒートアップ確実だが、センバツ決勝の相手が同じ大阪の履正社だったことからわかるように、夏に“超激戦区”の大阪府でたった1枚の代表キップを獲得するのは容易ではない。

 --センバツ優勝おめでとうございました

 「発展途上の中での戦いでした。どれだけ粘り強く行けるかで、勝ったというよりは負けなかった、生き残ったという感じです」

 --決勝では史上初の“大阪対決”となった

 「やりにくかったですね。甲子園で、ましてや決勝で、大阪のチームとやった。不思議な感じがありました」

 --夏には大阪府大会で履正社を倒さないといけない

 「大阪の強い学校の一つで、ここを倒さないと甲子園には行けない。特に秋に負けている(昨年の秋季大阪府大会・準決勝で履正社に4-7で敗戦)ので、(センバツ決勝では)2回連続で負けるわけにはいかない思いがありました。まあ、今回に限っては勝てたというだけです」

 --西谷監督は関西大学卒業後、大阪桐蔭のコーチを経て監督就任。当初、大阪ではPL学園が圧倒的に強かった

 「PLは特別でした。日本一のチームが大阪にあって、そこに勝たないと甲子園に行けなかった。何度も何度も壁になって、負けて悩んでということを繰り返した記憶があります」

 --その壁を乗り越えたことが現在の常勝に繋がっている

 「PLに勝ちたいという思いで、PLに勝つことばかり考えてやっていました。今考えると、PLという目標がありがたかったと思います。ただ当時は、そう考える余裕はありませんでした。甲子園に行けない時期が長かったので、どうしたら勝てるかと何度も考えました」

 --どこにPL学園の強さを感じたか

 「良い選手がいるのは事実でしたが、戦力的に落ちるかなという年でも、終盤負けていてもしぶとく詰めて来る。すごみを感じていました」

 --一番思い入れのある試合は

 「近鉄などで活躍した前川勝彦がPLのエースだった96年の準決勝。あと少しのところまで追い詰めましたが、延長戦で6-7の敗戦。勝ったゲームより、負けた方が心に残っていますね」

 --勝利が手からこぼれ落ちる感覚か

 「本当にあと1球、あと1回審判がストライクと言えば勝てるところまでいって、そこからどんどん詰められて、終わったらPLの校歌が流れているという試合が何回もありましたね」

 --そのPL学園硬式野球部が昨夏限りで休部

 「まさか、PLがなくなるとは夢にも思いませんでした。それはもうびっくりしたし、考えられないことでした」

 --もう戦えない寂しさは感じるか

 「PLを目標にしてやってきた立場からすれば、考えられないことでしたね。チームが弱くなることはPLに限らずあり得ることだと思いますが、PLが休部になるということはあり得ないと思っていました」

 --甲子園通算勝率8割4分の西谷監督が、今目標にしている学校は

 「毎年良いチームはたくさんありますが、PLのような学校はないですね」

 --夏の大阪府大会前に遠征に出るスタイル

 「伝統校、相手の監督さん、その年の好投手から学びたいという気持ちがあります。明徳義塾さん(高知)には毎年行かせていただき、今年は初めて横浜高校さん(神奈川)にも行かせていただきます」

 --同級生の東海大相模(神奈川)・門馬敬治監督はどんな存在か

 「門馬監督とは同い年ですが、私より早く監督として全国優勝されて(2000年センバツ)、個人的に仲良くさせていただいています。定期戦のように毎年7月上旬に来てくれます。甲子園に出場したときの宿舎に泊まり、その感覚をつかんでから予選に入りたいようです。お互い刺激し合える存在ですね」

 ■西谷浩一(にしたに・こういち) 1969年9月12日、兵庫県生まれ。報徳学園高、関西大学では捕手。教え子は中田翔(日本ハム)、藤浪晋太郎(阪神)など多数。

 ■古内義明(ふるうち・よしあき) 立教大学法学部卒で体育会野球部所属。ニューヨーク市立大学大学院スポーツ経営学修了後、米大リーグを取材・情報発信。(株)マスターズスポーツマネジメント代表取締役で、高校・大学球児向けフリーマガジン「サムライベースボール」発行人。立教大学講師として「スポーツビジネス論」の教鞭を執る。著書に「メジャーの流儀」(大和書房)など。

最終更新:5/13(土) 18:07

夕刊フジ